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生地のハナシ11 ~リサイクルコットン~2009.03.04

かわら版 -生地のハナシ-

気まぐれ日記をご覧のみなさま、こんにちは。
今回は「リサイクルコットン」についてのお話です。

衣でも度々登場する素材で、
本当に“衣らしさ”を表現するのにふさわしい素材ではないでしょうか。

そもそも綿の繊維は同じ種類、同じ産地であっても 一本一本少しづつ長さが違います。
その長さの異なる物同士をムラのないきれいな糸に紡ぐ時、
どうしても出てくるはみだし者。

これらは<落ち綿>とか、<クズ綿>と呼ばれるのですが、
こんなはみだし者達をもう一度集め、ひとつにまとめ、
紡がれた物が「リサイクルコットン」と呼ばれるものになります。

1本1本の繊維が短く、紡績するのが大変で手間がかかる為、
普通は焼却されてしまうのだとか…。P1370542

<生成り>色に見られるポツポツと黒い点は、綿カスの名残。
古寺の昔から使われ続ける“襖(ふすま)”の様な顔に
“衣”は魅せられ、漂白することなくわざと残しています。

とても素朴な表情としなやかさは、この素材固有の物。
衣では今までも取り組んできた様に、
これからも使い続けられる素材となるでしょう。

生地のハナシ10 ~プレーティング~2009.02.25

かわら版 -生地のハナシ-

気まぐれ日記をご覧の皆様、こんにちは。
今回は「プレーティング」について綴らせて頂きます。

天竺(Tシャツ生地)や裏毛と同じ“編み物”の仲間で、通常1本だけ通す針に、

2本の糸を同時に引き入れながら編んだ生地を 「プレーティング」と呼びます。

“二重臼(にじゅううす)”とか、“添え糸編み”“くるみ編み”とも呼ばれるそうです。

上質な生地感と、しっとり馴染むような着心地が特徴で、
この春、衣が使うプレーティングにはもう一つ!最大の特徴があるのです!!

それは何かと言いますと…、“色”。01kd01g2_l_3

同時に引き込む2本の糸を全く別の色にしておく事で、
一枚の生地の表裏が、全く別の色に仕上がるのです。

これはプレーティングが<表側に出る糸>と、<裏側に出る糸>とを、
きれいに分かれさせる事ができる編み方だから生まれた表現。01kd01g_l_3

さらに、ふわっと柔らかく編んでいるので、

糸と糸の隙間から反対側の色が少し見え隠れ。
-廓(くるわ)-をイメージさせる色合いに仕上がりました。

生地のハナシ9 ~硫化染【りゅうかぞめ】~2009.02.06

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気まぐれ日記をご覧のみなさま、
こんにちは。
今回は「硫化染」について語らせて頂きたいと思います。

 “生地”のハナシなのに“染め”!? 01jk01g2_1
と思われる方もおられるかも知れませんが、
“染め”も生地にとっての大切な要素のひとつです。
 同じ生地でも色によりその表情は違い、
それが個性につながるのです。

 そもそも藍染は染液から出したあと、01pt04f2_1
空気に触れる事で発色するのですが、
染色に時間がかかり、色落ちが強いという
人からは嫌われがちな一面を持っています。

 それを改善しようと生み出された“染め”が
「硫化染」なのです。02jk01ag_1

 代表的な物に“消防袢纏(はんてん)”等があります。
藍染が“濃紺”から“淡い水色”に冴えていくように、
消防袢纏の、炭の様な漆黒も、
燃えた後に残るはかない灰の色の様に
時間と共に元色とその淡色が共生した色へと姿を変えます。
きっと育てる楽しみを持つ一着になるでしょう。

生地のハナシ8 ~重ね~2009.01.22

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気まぐれ日記をご覧のみなさま、
こんにちは。
久しぶりに生地にまつわるお話を綴らせて頂きたいと思います。
今回のテーマ・・・それは生地の「重ね」です。

 
日本において「重ね」は古くから、
その時代や地域・文化にあわせ、私たちが着る衣服の中に取り入れられてきました。
例えば、着物。P1360549
色と色が、重なりあいながらもお互いを引き立たせ、
息をのむ美しさを見せる、奥深き伝統衣装です。
それは、狂おしい程鮮やかに、時になまめかしく。
・・・美しさの奥に潜んだ艶っぽさは、
今の時代に生きる私達をも魅了します。

そして、時は流れ 現代。
そんな「かさね」にまつわる生地が使われた長袖シャツ商品が、今春お目見えします。
それは、【オーガンジー】と【ボイル】と呼ばれる薄い2種の生地をP1360511
重ねて作られたシャツ。

透き通ったシャリ感のある生地に、様々な色を落とし込み、
それはそれは溶けるような軽やかさと妖艶さを表現致しました。
(この生地がオーガンジーと呼ばれる素材です。)
そして、その背景には無地のボイル生地。
こちらも肌ざわり抜群の薄手のシャツ生地です。

今期の衣のテーマと併せて是非お楽しみに していて下さい!

・・・2009年春夏テーマは≪郭-くるわ-≫・・・
そこからメージさせる柄、色、形、そして生地。
そんな中で、妖艶な着物を羽織り内側に秘める“色”を魅せる。
上記のシャツに、雰囲気がぴったり!
その他にも、鮮やかさと艶やかさが詰まった商品達が続々登場予定です。
是非是非お楽しみに!

生地のハナシ7 ~古布~2008.11.27

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気まぐれ日記をご覧のみなさま
こんにちは。
今回も生地にまつわるお話しを綴らせて頂きたいと思います。

今回お届けする話題、それは・・・「古布」。
読んで字の如く、古い布、古い生地の事です。
けれど、一言で「古布」と言っても、その種類は様々。
華やかな着物生地も、(夏のアロハが代表格です!)

鮮やかな青を表現する藍生地も、(部分使いや、ハンチング・
半天などの柄物はジャケットやコートに・・・。)
鯉のぼりや、前掛け(バッグなど小物から、ジーンズやジャケットの
リメイクパーツとして・・。)だって、古布の種類にあたるのかもしれません。

様々な種類と共に、その生地が生きてきた時代や地方、
使われてきた意図も、様々。
上に述べた藍の生地一つとっても、お布団用や簡衣類など
普段から身の回りにあったであろう藍生地から、
屋号やお揃いのマークが入った、気分も引き締まる半纏などの仕事着。
筒描きの生地には、用途よりも柄で楽しむ心意気も充分伺えます。

そんな「古布」という生地達が、衣の洋服に力を貸してくれるもの、
それは・・・柄や色・形など先人たちが残した文化という軌跡と、
物を大切に扱うという優しい気持ち。

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何年前、何十年前の生地から漂う目に見えない気配は、
様々な人の手に渡り、それでもここまで辿り着いた
“時間”を紡いだ奇跡の証拠。 時代の重みでもあります。

そんなご縁が、衣の洋服に舞い降りたのが「古布」生地を使った商品なのです。
これから先・・・時代は流れ、文化は変わり、私たちの面影だって
なくなってしまう頃が来た時、今目の前にあるこの「古布」達が、
更に尊い存在になっていますように。
そして、願わくば衣の洋服たちも 後人たちにとっての「古布」になりますように。

生地のハナシ6 ~ふわふわ裏毛~2008.11.05

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気まぐれ日記をご覧のみなさま
こんにちは。
今回も生地にまつわるお話しを綴らせて頂きたいと思います。

・・・今回は、ひとつの商品にスポットをあててみたいと思います。
その商品とは・・・「ふわふわ裏毛ショールプルオーバー」。

“ふわふわ”という響きからも、その生地が持つ柔らかさや
優しさが伝わってくると思います。
 和歌山県にある編み工場で編まれたこの生地。
糸と糸との間に含まれた空気は ふんわりと生地を構成し、
優しい肌触りを作ってくれました。
何年経っても、何十年経っても、その温もりは生地と共に。
是非、たくさん着込んで頂きたい一品です。

そして、生地に隠された秘密がもうひとつ。6_2_2
一見、無地のインディゴ生地に見えるのですが、
実は・・・二色の“青”が、この生地には隠れているのです。
使われたのは、微妙にトーンの違う二本のインディゴの糸。
時が経ち、それぞれが色を落としていった頃、
また違う見え方をこの生地はさせてくれる事でしょう・・。

それは・・・たいせつに、永い時間を過ごして頂いた方に捧げる、
インディゴ生地からの小さな小さな贈り物。
ストライプの様に、濃淡のついた二色の青が顔を出すのを
静かに待っています。

 やわらかく着込んで育った生地と、表情を変える生地。
二つの楽しみを詰め込んだ、「ふわふわ裏毛」のご提案です!
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生地のハナシ5 ~別珍~2008.10.28

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気まぐれ日記をご覧のみなさま
こんにちは。
今回も生地にまつわるお話しを綴らせて頂きたいと思います。

今回のテーマは「別珍」。
この言葉を聞いて、まず浮かぶのは・・そうスカジャンですよね。
言葉の意味は解らずとも、手で覚えてきたこの感覚。
秋が過ぎ、冬を迎える前に 妙に懐かしく思えるこの手触り。
きっと、皆様も ジャケットや帽子など、一着は身の回りに
この「別珍」が潜んでいることでしょう。

ところで、この「別珍」、何の糸で出来ているかご存知ですか?
以外?!かもしれませんが、“綿”なんです。
この光沢が、この滑らかさが、そうは思わせないのですが、
紛れもなく・・綿。
綿のパイル織物(タオルの様に細かい糸がループになっているもの。
+そのループを切断して毛羽をつくったもの。)の一種です。
本当に、様々な顔を持っているのですね。綿は。

肉厚なので、着ていてもとても暖かく、手触りも滑らか。
色味の深さも特徴です。見る角度により、色に奥行きが出てきますよね。
光沢感が、高級感も与えます。
こんな理由で、「スカジャン」という特異な文化は、
この「別珍」の上に これまで息づいてきたのかもしれません。
そして、おそらくこれからも・・・。

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生地のハナシ4 ~ワッフルクロス~2008.10.23

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気まぐれ日記をご覧のみなさま、こんにちは。

今回も生地にまつわるお話しを綴らせて頂きたいと思います。

今回のテーマは「ワッフル」(※正式には、「ワッフルクロス」というそうです。) 何だか、あまくてフワフワしたイメージが この言葉から、伝わってくる方もいる事でしょう。

Photo

・・・けれど、あながちそれも間違いではありません。 その名の通り、焼き菓子のワッフルのような凹凸が特徴のワッフル生地。 表面が四角形の“ます形”をなしているものが多く、凹凸の編み目が縦や横に ほどよい伸縮性を与えてくれます。

加えて肌触りがよく 通気性も高い為、毎年秋先や春先にはTシャツの上に羽織るのにちょうどいいのかも・・。 また、先ほど申し上げた「伸縮性」が、体への馴染みをよくし、型崩れもしにくい生地になっております。Wahhuru

衣でも、毎年どこかで必ず登場するこの生地。 “着易くて合わせやすい”、この生地が持つ魅力は・・・、あまいお菓子の様にクセになってしまうものかもしれません。

生地のハナシ3 ~ジャガード~2008.10.12

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気まぐれ日記をご覧のみなさま
こんにちは。
今回も生地にまつわるお話しを綴らせて頂きたいと思います。
今回のテーマは「ジャガード」。

この「ジャガード」という名前、あまりご存知でない方も
いらっしゃることでしょう。
それでは、右下の画像をご覧下さい。
この桜の柄は、生地の上からプリントをしたものではありません。
もちろん、抜染でもありません。
そう、生地を作る段階で 柄を構成していくのです。
これが「ジャガード(ジャガード編み機)」です。

使われるのは、二色の糸のみ。(裏毛の場合は、3本使う場合も。)
桜のデザイン通り、規則正しく二本の糸が交差していきます。
一本の糸なら、普通の糸と糸。
けれど、その糸達がパズルの様に組み立てられた時、そこには
紙に描いた絵と同じ様なデザインが浮かび上がってくるのです。
柄の細かさに比例して、増す難易度。Photo
配色の加減も重要問題です。
正に、「編み機」と「糸」と「職人さん」の共同作業。
編み機から生地を下ろした時、きちんと並んだ柄は美しさを称え、
その生地が洋服や小物となる事に わくわくと胸が躍りだします。

生地が出来るまでの長い時間を、長い戦いを、長い挑戦を、
是非生地から感じてみて下さい。

生地のハナシ2 ~ジンバブエコットン~2008.10.05

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今回のテーマは「ジンバブエコットン」。前回のインディゴ撚糸同様、衣の商品では毎シーズン登場する生地です。

お店でお買い求めいただいた洋服に、緑のシールが貼ってあるものをご覧の方もいるはず。そこには・・こんな言葉が。「ジンバブエ綿はアフリカの大地の恵みを受けて育てられる、自然からの贈り物です。」この言葉が持つ真実。それは、機械を使わず すべて手摘み収穫を行うところから始まります。

これにより、収穫時の損傷や不純物の混入が少なく、白度に優れ、繊維の均整度も高い“綿”が生まれるのです。これだけで、何だかとてもいい生地の様な気がしてきますよね。

では、実際の着心地はいかがでしょうか?
・・・このジンバブエコットンのTシャツは、長年愛用して頂いてこそ、その真髄を感じて頂けるものだと思っています。もちろん、着始めの印象も、しっかりとした生地だと感じて頂けるでしょう。けれど、洗って、着て、洗って、着て・・を繰り返し、繊維が充分な慣れを感じた頃、もっともっとこの素材は“優しさ”を発揮します。事実、この素材を衣が使い始めて今年で約10年、約10年前にジンバブエコットンのTシャツを購入して頂いた方が、今でも変わらず着て下さっている光景を何度か目にしました。古株のスタッフにも、何年越しかの愛用者がいることでしょう。

やわらかく、ふくらみのある独特な風合い。風に吹かれ、洗いざらしのTシャツに袖を通す喜び。是非、一枚のTシャツと長い時間を過ごしてみて下さい。

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