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もの作りのハナシ7 -玉虫染め-2009.11.04

気まぐれ日記をご覧の皆様、こんにちは。
今回のおハナシは“玉虫染め”

「玉虫」ってご存知でしょうか? そう、昆虫のタマムシです。
全体に深い緑色で、虹のような赤と緑の縦じまが入る あのタマムシです。
その とても美しい鞘翅(さやばね)が持つ、独特の色の見え方。

通常1度で十分な染色工程を 手間をかけ2度行う事で、
そのタマムシの羽の様に 奥深い雰囲気を表現できるので、
衣では“玉虫染め”と呼んでいます。

いつからか この“玉虫染め”は、衣 独特の色表現をする技法として
すっかり定着した 特別な技法。Photo

どのようにも解釈ができて はっきりとしない ものの例えが
「玉虫色」と言われるように、本当に言葉では表現しきれない。
そんな色を、納得のいく色になるまで何度も試染めを行い、

ようやく出来上がる 唯一の色。

タマムシの羽は、その命が尽きても いつまでも朽ちる事はなく、
子供ながらに その色を綺麗だと感じた頃の記憶から、
この色に惹かれ 追求し続けているのかも知れません。

この秋冬は特に この“玉虫染め”作品が多く登場しています。
すでに お持ちの1着も そうかも知れませんね。
気になられた作品は、どうぞ お尋ねくださいませ。

それでは次回は、色を作り出す事すら難しい この染めを、
手捺染で作り出した ダウジャケットに使われている素材が

出来上がるまでの秘話を おハナシしたいと思います。

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