再現するrecreation2017.04.25
私たちが作品に柄を落とし込み、1つの世界観を表現するうえで欠かせない「伊勢型紙」。
お店やホームページでは、何度か話を聞いたり、見たりして、ご存知の方も多いのではないかと思います。
言葉で簡単に表すならば「切り絵」。もちろん型紙となる和紙作りから、彫った後の型紙として使うための紗張りという糸貼りの行程(私どもの作品は全てこの紗張りがされたものを使います。)まで、「切り絵」だけではない技術もまとめて「伊勢型紙」作りなので、伝統工芸品として認められることもそのはずです。
そしてその“彫り”の精度は極めて高く、例えば、1cm幅に最高で11本もの縞を彫る「縞彫り」と呼ばれるもの。つまり、1本の縞は0.5㎜を下回っているという事。ともなって“彫る”ということへの集中力はすさまじい。
さらに言えば、直線、曲線のみならず、小さな小さなドット模様を生み出す「突彫り」といった技法、その彫り上げるデザインにあわせ、技法にあわせた道具を選び、巧みに彫り上げるのです。
ただ、今回お伝えしたかったことはそれではなく、その型紙の耐久性。もちろん材料は紙。柿渋で紙を貼り合わせ強度を増すとはいえ、金属型でもなければ、プラスチックでもないので、使い続ければ痛みます。
そして、抜染の糊を落とすためにスケ-ジ(ヘラの様なもの)でかき続け、時にインクを刷り込むために刷毛(はけ)をこすり付けなればならない。
柄が細かければ細かいほど、ダメージの分散ができず、部分的浮いたように彫られる部位(生き物の目や歯など)は極めて弱いのです。
そうやって、使い潰れてしまった伊勢和紙は数多く、そのどれもがそれきり。あらためて彫りなおされることもなく、絶版となることが常時だったのです。
今回その常時をくつがえし、彫りなおされた伊勢和紙が、そう、さきほどまでにご覧いただいた伊勢和紙「伐折羅(ばさら)」なのです。
突彫りも用いて、古い型紙にクリアシートを引き、その上に新しい型紙和紙を置いて、光を透かせて忠実に再現したもの。
クリアシートに残る細かな突彫りの跡。
型紙との寸分のズレのない刃跡。
もう10年以上の年月を経て、今新たに彫りなおされた「ばさら」。その繊細な彫りの技術をつぶさに感じられる大胆な柄いきをTシャツに。復刻されたその姿を楽しんでいただきたい作品です。
「伐折羅(バサラ)大将 着物衿半袖Tシャツ」
The “Ise pattern paper” which is indispensable to Koromo’s works. We express our view of the world through the “Ise pattern paper”.
That is kind of “paper-cutting.” But it’s not only paper-cutting, but also making of Japanese paper, attaching the paper pattern and lawn. It is admitted as a traditional industrial art.
And it is extremely high for the precision of the “carving”. For example,”Stripe carving” is to carve 11 lines in 1cm width.
In other words, one line is less than 0.5mm. The craftsman of Ise pattern paper need terrible concentration!
“Stab carving” can draw small dot design even if straight line or curve line. The craftsman choose the chisel from lots of carving tools. And they carve it in relief skillfully.
The durability of the “Ise pattern paper” is most important thing. Of course the material paper is weak. So the paper is laminated in persimmon juice, and the strength is added. But it’s not plastic made or metal made,after using for printing,it deteriorate.
We use the spatula to drop inks, when we print the patterns on T-shirts or any clothes. When we doing discharge dyeing, rubbing a brush to the “Ise pattern paper”.
If a pattern is small (expressing eyes or tooth of the creature), the parts of “Ise pattern paper”
get used up quickly. So “Ise pattern paper” is used only for a few items, and when those items are sold,it means finishing of the design or picture.
But this time, we decided to recreate the “Ise pattern paper” of Basara. This is masterpiece! The craftsman recreated original picture faithfully by using “Stab carving” technique.
First time appearance is ten years ago…,please enjoy this T-shirt of the bold pattern with delicate technique.