『東へと吹く風』2008.01.21
先日、京都は衣寺町店と
東京・代官山店に続けて行って参りました。
文化や習慣、言葉も違う『関東』と『関西』で、
“衣”という軸を通して 様々な事を感じてきました。
元々は、京都で生まれた“衣”が、
たくさんの方のご厚意で東京に根を下ろす事が出来ました。
西と東。
遠く離れた土地でも、京都の風は東へと吹き続けていました。
その風は、代官山の地でまた大きな追い風となり、
スタッフの言語を借りて商品たちに葉っぱの様に降り積もります。
言葉とは、「言の葉」と よく言ったものですね。
時間や土地を越え、遠く離れた場所でも
“衣”が伝わっていくこと、
本当に素敵な事だと思いました。
代官山に来て下さるお客様の方々、本当にありがとうございます。
また、寺町店と代官山店で、おもしろい発見を・・。
写真右が寺町店のディスプレイ、
写真左が代官山のディスプレイです。
同じジャケット(茶色のジャケット:柿渋手塗りジャケット)を中心に、
二店共コーディネートをしているのですが、
その見え方の違いが 本当に興味深かったのです。
一方は、消防服のジャケットと重ねる事で とことん泥臭く、
もう一方は、着物シャツや手描きジーンズと着合わせる事で
優麗な美を際立たせています。
これは、土地柄・・・よりも
販売員の価値観の問題なのでしょうが、
「華やかさ」と「泥臭さ」という相反する要素を、
ひとつのアイテムが取持ったのです。
着こなしは人それぞれですよね。
服のあるべき姿は、その‘自由さ’かもしれません。
寺町店、代官山店以外の店舗は、
どんな姿のトルソーが待ち構えているのでしょうか?
是非、そんなところも楽しみながらお買物をしてみて下さい。
はじめての衣 ~藤原編~2008.01.21
気まぐれ日記をご覧の皆様
こんにちは。
名古屋パルコ店の藤原です。
・・・もう随分前の事。
大学卒業を前にした、超のつく氷河期の就職難の頃。
内定を取ろうと面接を繰り返す友達達の姿を見ても、
なかなか腰も上がらず私は行き先を何処にも決めていませんでした。
そんな私が京都での旅先で出会った、初めての衣は “神様Tシャツ”。
なにも知らずに足を踏み入れた、初めての衣の展示会。
スタッフの作品が壁を覆い、私はその中の1枚に心惹かれました。
今までに出会ったことの無い服でした。
その壁の神様に見とれていると、
“ちょっと触って見てごらん”
“ほらほら、こんな所に味わいが”
“こんな所が苦労の末・・・”
と色々な作り手の思いを聞かせて下さいました。
あの時の言葉では上手く言えない様な、心踊る、服との出会いは、
本当に今でも胸に残っています。
そして、『私も何かを伝えたい。』
そう思い、今、私はここにいます。
衣と私を繋ぎとめてくれた“神様”は今でも一緒です。
自慢ですが、とっても良い味出ています!!
その物と出会った時の思い、それを作った人の思いを心は覚えていますか?
衣を心で感じてもらえる様に、私が貰った感動を又誰かに伝えてゆきたいと思い、
お店でお待ち致しております。
はじめての衣 ~禾本編~2008.01.14
気まぐれ日記をご覧の皆様へ。
こんにちは。
衣三条店の禾本です。
突然ですが・・・私が「衣」に入ったきっかけは姉でした。
姉は偶然にもコロモールの裏手のマンションに引っ越しをし、
「衣」の存在を知ったのです。
その時から姉は衣好きになり、ある時私にお薦めの店があると
紹介してくれました。
休みの日、一人で自転車を走らせ教えてもらった場所に向かう私、
着いたその先には・・・ 一言で言うと衝撃的!でした。
見る物、触る物、すべて表情が違い、そこには意味があり
私が今まで洋服に対して抱いたイメージが崩れ去り・・
大袈裟ですが、「衣」と出会い、
何かが自分の中で動き始めたのです!!
“もっとこのお店の事を知りたい。”
そんな感情が生まれた私は、自転車の帰り道
『衣で働かせて下さい。』と、電話をかけたのです。
あれから6年・・・姉も私も「衣好き」は健在です。
6年前、姉があの場所に引っ越していなければ、
衣を知る事はなかったかもしれません。
人から人へ、繋がって広がっていく・・。
これからもそんな“輪”が広がっていく様になればな、と思っています。
しっかり“衣”ご着用でポーズ!
七草粥2008.01.08
気まぐれ日記をご覧の皆様こんにちは。
昨日、1月7日は『七日節句』。
“七草粥”を食べる事で、その年の無病息災や五穀豊穣を願う
大切なたいせつな一日です。
皆様は召し上がりましたか?
ここ、京都の衣工房では
年明けから風邪が大流行・・・。
コホンコホンと、そこかしこから
咳が空を舞う音が聞こえます。
「病は気から」とはよく言いますが、
それでも体は正直です。
今 目の前にある風邪菌に立ち向かう為、
そして、この一年間を健康に過ごせる為、
私たちも昨日は七草粥を頂きました。
~一年間、元気に毎日を過ごせます様に~
それは、皆様にも通じる願いです。
はじめての衣 ~今井編~2008.01.07
明けましおめでとうございます。
12月より代官山店に異動して参りました今井です。
本年もどうぞ宜しくおねがいします。
さて、私にとっての「初めての衣」、
初めての・・・衣といえば、やはりここ代官山店ではないでしょうか。。
遡ること約3年と8ヶ月前、
ただただ緊張して初めて衣のスタッフとして立たせて頂いた場所がここ代官山店でした。
その時代官山店に並んでいたのは手描きのジーンズ、
お酒が付いてくるTシャツや一枚一枚に異なる刺繍が施されたTシャツ・・
(どれもすごいのに何をみても緊張ばかりが先にたって ただそこにいた、
そんな自分を思い出します。)
“全ての商品は作品であり、そこには想いがあり意味がある。
そしてそれを伝え届けるのが衣のスタッフ。”
初めてお会いして、お話ししてくださった主の言葉が耳に残り・・・
ほんの数日後、私は大好きだった東京を離れ 京都の衣で働かせて頂く事となりました。
それから三年半 寺町・三条・コロモールと様々な場所で沢山の人に出会って、
色んなものを見て、人の想いや感情を知って、
時々泣いて笑って・・気付いたら またここ代官山に戻ってきていました。
本当にあっという間でした。
京都で毎日慌しくも楽しく学んできたことは、私にとってほんとに大きな財産になりました。
出会った人も物も出来事も、すごく小さなことも大きなことも全部が大事な宝物です。
これから東京代官山店でまたそんな宝物を増やせるように頑張りたいと思います。
「邂逅(かいこう)」2007.12.30
雪深い土地からも一目置かれる存在の
「京の底冷え」。
四方が山に囲まれ、決して広くない土地
“京都盆地”が生んだ言葉だ。
そんな体の芯まで冷え込む「底冷え」が始まりかけた
2007年の年末、衣の『祭り』がとりおこなわれた。
東京や名古屋にいるスタッフも含め、
一年に一度、唯一全員が集まる同窓会の様な忘年会だ。
いつごろから、飲んで食べての忘年会が、
各店競っての“出し物”をするようになり、
衣の最大イベントになったのか はっきり覚えてないのだが、
今では お呼びがかかれば全国巡業したいくらいに
素晴らしい役者揃いになっている。
衣各店6店舗と工房チーム、計7チームが“感動”という出し物をするのだ。
今年のプログラムは・・
コロモールの『歌謡ショー』
大津パルコ店の『一撃!』
名古屋パルコ店の『大道芸人』
寺町店の『真吾タイトルマッチ』
三条店の『don’t stop me』
代官山店の『ギターと替え歌』
そして・・・工房チームの『千手観音』だ。
笑いの津波は、押し寄せるだけで 返す事なく一気に会場を埋め尽くす。
それぞれの感性の引き出しの中に保管してあった物が
吹き出し、狭い空間をひしめきあっている。
スタッフ一人一人の中に決して存在しないであろう物が、
天啓の様に高いところから降ってきているのではないか・・と
天を見上げてしまうほどだ。
「いのちが笑いを食べている。」と実感する瞬間でもある。
この日の為に使った時間や労力が
お金に変わる訳ではないのに、
「ただ感動させたい・・。」それだけの信念が こうも人を動かすのか、と
不思議である。
衣は、この笑いや空気を厚く深く蓄積した重層構造で
出来ているのかもしれないと思う・・・。
優勝の金一封は、審査員によってつけられた点数より、
ゲームの得点で稼いだ 代官山チームが勝ち取って『祭り』は終わった。
私の好きな言葉に、「邂逅(かいこう)」という言葉がある。
人生の途上において、重要な機縁となる巡り会いの事だ。
人と人との出会いが、新たな出会いを手操り寄せ
素晴らしい関係をつくり、こうして感動を生む。
まさに「邂逅」そのものだと思う。
それは、一匹の蚕が糸を生み、紡がれ、織物となり、
服へと変貌をとげる関係に似ている。
皆様と衣が「邂逅」と呼ばれる関係になれます事を祈りながら・・・。
来年も皆様にとって いい年であります様に・・・。
写真:上から「代官山」「コロモール」「大津」「三条」
「名古屋」 そして・・「工房」です。
詳しい様子や結果は、
各店にて是非お聞き下さい!
“ゆく年くる年ロンT”2007.12.27
大津パルコ店・名古屋パルコ店限定販売!
毎年恒例の“ゆく年・くる年Tシャツ”を、
今年も 大津パルコ店・名古屋パルコ店のみで限定販売致します!
【ゆく年ロンT】
販売日:大津・名古屋共に
12月28日(金)
29日(土)
30日(日)
【くる年ロンT】
販売日:大津パルコ店
1月4日(金)
5日(土)
6日(日)
・名古屋パルコ店
1月3日(木)
4日(金)
5日(土)
価格:2008円(税込)
※サイズ展開:ゆく年・くる年共に【SS・S・M・L・XL】
一枚の洋服の上、集い 交わる十二の動物達。
今年の柄は、干支と漢字を融合させたデザインに仕上がりました。
過ぎゆく年に感謝を、
迎えくる年に期待を、
そんな気持ちを込めて製作致しました。
是非店頭にてご覧下さい!
※1日10着限定で、お一人様一着づつとなります。
日によりサイズ・色が異なりますので、ご了承下さい。
年に一度、衣から感謝の気持ちを込めて・・・。
※名古屋店のみ1月3日の営業時間が朝9時からのオープンになります。
はじめての衣 ~大山編~2007.12.24
学生の頃の僕のお話しです。
全くお金のなかった僕は
何の様もなく京都の街をプラプラと、
そして、いつも衣(寺町店)の前で立ち止まり、
「欲しいなぁ・・」と外からただ眺めるだけ・・
街で衣の服を着ている人を目で追いかけては、
・・・ハァ・・・と ため息をついていました。
そんなある日、毎日毎日欲しい欲しい欲しい・・と
ブツブツ呪文の様に唱えている僕を見かねた彼女が、
衣の服をプレゼントしてくれたのです!!
今でも覚えているのですが、電車の中で大声をあげて
喜んだのを思い出します。
プレゼントの中は、女の人の背中に象の入墨が入った
水墨画タッチのロンTでした。
(昔から来て下さっている方はご存知かもしれません・・。)
感動でした。
そして、衣で働きたい!と思ったのもその時で、
何か強い“縁”を感じたのです。
僕と衣を繋げてくれたそのロンTは、今でも大事に着ています。
そして、その洋服をプレゼントしてくれた彼女と・・
・・・もうじき結婚します!!
はじめての衣 ~二宮編~2007.12.17
春と秋、毎年恒例の『衣展示会』。
スタッフが服をデザインし、作品を作るこのイベントで、
僕は はじめて「服を作る」という気持ちを味わいました。
それまで、洋服は「着る」物であり、また「買う」物であったり・・
格別深く考える事もなく、そう捉えていました。
そんな僕にやってきたのが、『衣展示会』。
忘れもしない、2001年の春でした。
綿や布以外の、「異素材をくっつけたもの」というテーマが発表され
各々デザインを始めました。
やがて、あれこれとイメージを膨らませているうちに、
Tシャツに網(異素材)を縫いつけ、その網の中に土佐犬がいる!という
少しワイルド!?な物を思いつきました。
しかし、すぐに壁にぶち当たります。
まず、思い通りの大きさ・素材感の網がなく・・。
そして凸凹のある網をTシャツに縫い付ける技術がない・・。
極めつけに、土佐犬の図案を上手く描く絵心がない・・。
今思うと致命的ですね・・・。
そんな八方塞がりの僕でしたが、やがて一筋の光が差し込んできました。
まず網は、漁師をしている実家の父が編んでくれる事になりました。
そして、網を縫いつける技術は、当時の近藤店長(コロモール)に
指導して頂き、土佐犬は主(あるじ)に指導・修正も加えて頂き、
どうにかこうにか期日までに完成する事が出来ました!!
確か全部で15枚程度しか作らなかったと思うのですが、
とても大変だった事を 約7年経った今でも覚えています。
はじめて服作りをしてみて思った事。
「作る」という事は、こんなにも大変なのか!という事。
そして、1枚の洋服を作るのにも、多くの人の手が加わって、
力を借りながら作っているという事。
頭では理解していたつもりでも、いざ体験してみると
世界感が変わる程にそれが体に染み込んできました。
そして、服作りを行ううちに、服の構造や素材の特性などの
本質的な部分を少しずつ学ぶ事も出来ました。
服への概念が変わった この「作る」という事が、
僕にとっての、心に残る“はじめての衣”でした。
しかし、まだ今も分からない事だらけ・・・
本当に「服」って奥が深いんです・・。
はじめての衣 ~仲嶺編~2007.12.10
気まぐれ日記をご覧の皆様
こんにちは!!
コロモールの仲嶺です。
私は、衣と出会うまでは流行り物が大好きで季節毎に目移りばかりしていました。
それがコロッと一転!!!!
育てる楽しみを知ったのです。
それを教えてくれたのが写真の丸胴トレーナー。
「和歌山の小さな工場の片隅の古~い編み機で
ゆっくりゆっくり編まれたものです。
靴下のように筒状に編まれているから脇に縫い目が無いんですよ。
柔らかいでしょう?空気も一緒に編み込まれているから・・・」
そんな接客を受けました。
触ってみました。
本当に柔らかくって、やさしい手触りです。
それはもう、脱ぎたくない位に!!
はじめてお店に立った日もこれを着ました。
何度も何度も着ました。
少しづづ冴えてくるインディゴ。
洗濯機から取り出すのが毎回楽しみでした。
それからもたくさんのお気に入りと出会いましたが、
今でもこのトレーナーは私に大事なことを教えてくれた特別な一枚です。
「はじめての衣」というお題を頂いて色々考えてみると、
毎日、お店にいるだけでも小さなことから大きなことまで、
それはたくさんの「はじめて」が溢れていることに気付きました。
これからみんながどんな「はじめて」を語ってくれるのか・・・たのしみです。