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はじめての衣 ~山田編~2008.02.04

寺町店

はじめての衣、

僕は大切な人へプレゼントをしました。
それがそのまま衣の始まりとなったわけですが・・・。
何度かお店へ入った事はあっても、
当時『洋服と言えば古着でしょ』と思っていた僕にとっては手が出せず、
桜の柄の長袖シャツを見て『これいいなぁ』と桜にみとれて、
裏地に総柄の入ったジャケットを見て
『こんなの着て帰ったら親兄弟もひっくりかえるだろうなぁ』
と憧れを持ち続けたものの、なかなか買えずにいました。
 そのうちに、大切な人の誕生日が近付いてきました。
よし、衣を着てもらおう!とお金を持って衣に行きました。
プレゼントと思うと財布の紐も緩み、
お金もあるので強気になってとにかくあれこれと
見たいものを拡げていったのを憶えています。
 そのなかの一枚が、この『夜鶴と銀世界』でした。
雪が降るブラックインディゴの夜空を見上げる鶴はとても美しく、
自分も欲しいと思いつつ満足して買って帰りました。
 後に、プレゼントした人が着てるのを見て、
自分のも欲しいと買いにいき、
偶然にもスタッフ募集を発見して、衣でお世話になることとなりました。
今や、新作が出ると、好きなアーティストの新曲が出るのと同じように興奮し、
堂々と衣を着ています。

 今思えば、衣は後に妻となったプレゼントの相手と僕を繋ぎ、
その妻が衣と僕とを繋いでくれたように思います。
 プレゼントで買われるお客様を見ると、
この一枚も人と人を繋いでいくのだろうか?とプレゼント包装をする時も背筋が伸びる思いです。Photo

はじめての衣 ~大山編~2007.12.24

寺町店

学生の頃の僕のお話しです。
全くお金のなかった僕は
何の様もなく京都の街をプラプラと、
そして、いつも衣(寺町店)の前で立ち止まり、
「欲しいなぁ・・」と外からただ眺めるだけ・・
街で衣の服を着ている人を目で追いかけては、
・・・ハァ・・・と ため息をついていました。Photo_2

 そんなある日、毎日毎日欲しい欲しい欲しい・・と
ブツブツ呪文の様に唱えている僕を見かねた彼女が、
衣の服をプレゼントしてくれたのです!!
今でも覚えているのですが、電車の中で大声をあげて
喜んだのを思い出します。
プレゼントの中は、女の人の背中に象の入墨が入った
水墨画タッチのロンTでした。
(昔から来て下さっている方はご存知かもしれません・・。)

 感動でした。
そして、衣で働きたい!と思ったのもその時で、
何か強い“縁”を感じたのです。
僕と衣を繋げてくれたそのロンTは、今でも大事に着ています。
  そして、その洋服をプレゼントしてくれた彼女と・・
・・・もうじき結婚します!!

~謎~ 寺町編2007.11.05

寺町店

皆様こんにちは。
衣寺町店です。
今回は、衣の柄に数多く出演する“鯰”の謎について

触れてみたいと思います。
鯰が暴れると地震が起こる・・??
皆様も一度は耳にした事があると思います。
では・・・・なぜ?!

 時は1855年 江戸時代。
安政江戸地震という大きな地震が関東地方を襲いました。
たくさんの家屋が倒壊し、街は混沌に溢れたそうです。
迷い、傷つき、生活を奪われた民衆は
やり場のない怒りをある物にぶつけました。
それが“鯰”でした。
実際、当時数多く描かれた『鯰絵』には、
巨大な鯰を寄ってたかって いじめる様な図が多かった様です。
 また、中には地震によって思わぬ好景気がやってきた大工と
鯰が盃を交わす・・・などという風刺絵もあるそうです。

 いっぽう、現代の学問において研究されたところでは、
鯰は電流を感じる器官が非常に発達していて、
地震が起きる前の微妙な電磁波に反応して暴れる・・
というのが定説だそうですが・・・

 いずれにせよ未だこの「謎」は「謎」のままです。
そして、当の鯰たちも、服の上では知らん顔。Photo
鯰に どんな力があろうとも、衣にとっての“鯰”は、
泥臭くて、愛嬌があって、時に滑稽な
愛すべき存在である事に変わりはないのですが・・。

繊細さ、鮮やかさ、2007.09.17

寺町店

初めまして。
8月の14日から働いている、寺町店の須釜です。
そろそろ1ヶ月経ち、少しずつお店の雰囲気にも慣れてきて
楽しく働かせて頂いております。

 毎日、和柄の洋服に触れてみて気付いたこと、
それは、柄の持つ繊細さ、そして鮮やかさにすごく長けている事。
同じ総柄のTシャツでも、使う生地が少し異なるだけで
全体の雰囲気も全く別なものになってくるという、
その小さな存在感にも驚かされます。
 また、ビビッドな色合いというのは今も昔も変わらず愛され
前衛的な雰囲気を醸し出しています。
濃い重厚な色合いの中で主張する、
鮮やかな「赤」のような存在に憧れも感じます。

 学ぶことが数多くあり勉強になります。
服とは毎日身につけるものであり、
その毎日の相棒についてよく知ることができれば
自然と愛着も湧いてくると思うのです。
 これからも服とのいい付き合いができるように
頑張らせて頂きますので、よろしくお願い致します。
Photo

“名前について・・・。”2007.08.13

寺町店

こんにちは。
寺町店の山田です。
私事で恐縮ですが、この10月、私達夫婦に初めての子供が生まれます。
  女の子です。
そこで、今 一番私の頭を悩ませているのが、子供の“名前”です。
まだ早いのでは??と思われるかもしれませんが、ペットも含めて
名付け親になるのが人生初体験の私にとっては一大事!で心配で
なりません。
そこで、名前について調べていくうちに、昔からその年々で流行りの名前が
あるという事を知りました。

 例えば、1920~40年代までは、『和子さん』という名前が最も多かったそうです。
“平和”“昭和”といったキーワードからきているそうですが、
人と人との「和」を大切に・・という意味もあるそうです。
誰からも好かれる子になりそうですよね。

 又、私の生まれた1970年代では、『陽子さん』が人気を博した様です。
太陽の様な明るさと、、“陽だまり”という言葉も連想される様な優しげな
イメージも持ち合わせています。
 そして・・、昨年2006年は、『陽菜(ひな)さん』という言葉が
最も多かったのだそうです。
太陽な光をいっぱいに浴びた、瑞々しい菜の花のイメージでしょうか?
爽やかな子に育ってくれそうです。
“ヒナちゃん”という呼び名も可愛らしく、親しまれそうです。

 どれもこれも良い名前ですが、オンリーワンである様に
そのどれとも違う名前にしたい気もしますし、困ったものです。
ベビー用品の方は、着々と買っているのですが・・・・。
娘さんをお持ちのお父さん・お母さん、名付ける際のアドバイスがあれば
是非教えて下さい。

 衣のデザインにも、一つ一つ名前があります。
 名前の裏に隠されたストーリーも数多くあります。
こちらは私がお伝えしますので、お近くにお越しの際には
是非お立ち寄り下さい。Photo
お待ちしております。

寝れる音楽2007.07.02

寺町店

こんにちは。
この度、寺町店の店長になりました大山と申します。
よろしくお願い致します。

最近、夜まで蒸し暑くなりましたね。
窓を開けても、風一つ吹かない・・・
でも、エアコンをつけるにはまだ早い様な・・・
そんな感じで、なかなか眠りにつけない方もおられると思います。
 僕はそんな時、必ず音楽を聞きます。
以前は、ジャズやおとなしめのロックを聞きながら
眠りについていたのですが・・・
最近手に入れた音楽が『ネイチャーサウンド』。
鳥のさえずりや、川のせせらぎ、風の音や虫の鳴き声などを
収録したCDです。
普通に何気なく聴く分にもリラックス出来ますし、
夜寝る時はかなり快適に眠りにつくことが出来ます。
 僕はたぶん10分かかりません・・・。

タワーレコードなどに行って頂いたら、
ヒーリング系などを置いてある場所に、
『ネイチャーサウンド』という名のコーナーもあります。
色々な種類があるんですよ。
是非、この蒸し暑い熱帯夜を『ネイチャーサウンド』で
快適に過ごしてみて下さい。

では、また。

Photo

「衣」薀蓄(うんちく)書~奥田編~2007.03.26

寺町店

こんにちは。寺町店の奥田です。

皆様『招き猫』、ご存知ですよね?

前回の、名古屋パルコ・酒井君に引き続き

私も“縁起物”のお話をしたいと思います!

招き猫・・・あの、まん丸い手で福や富を呼ぶわけですが、

では、そもそもどうして、そんな風に言われるようになったのか、

皆さんご存知でしょうか?

江戸時代、ある貧乏なお寺に住んでおりました「タマ」

と言う名の猫が、この話の主人公になるのですが・・・・

タマは、その寺の主である和尚さんに大変可愛がられていたそうです。

そんなある日の事、立ち往生をしている時の藩主を

タマはお寺の前で見かけます。

外は降りしきる冷たい雨と風。

うろたえる人々の群れ。

そんな時、ふいにタマの手がゆっくりと上下に動きました。

そう、あの「おいでおいで」です!

その手に導かれるように、藩主達は古いお寺にぞろぞろと

入っていきます。雨宿りの間、手厚いもてなしを受けた

藩主達は、その御礼としてこの古いお寺を保護する事に決めたのだそうです。

その出来事をきっかけに、「おいで、おいで」のポーズが縁起物として言い伝えられ、

あの招き猫の置き物が作られたといわれています。

私は、この話を小さい頃に親から聞かされました。

しかし、「こんなただの猫が本当に福を呼ぶの?」と、

幼いながらによく疑いの目であの招き猫の置き物をながめていたものです。

最近になって、もっと詳しい事を知りたいと思い調べたのですが、

お話に出てくるお寺は、実際に豪徳寺と言う名で現在も東京の世田谷区にあるそうです。

招き猫のお寺として有名だそうですよ。

私は「本当だったんだぁ」と、今更ながらに信じてみよう思い、

ちょっとそのお寺に行ってみたくなりました。

私の家には現在「メイ」という猫が一匹住んでおりますが、

「お前も何か福を招いてくれんかなぁ」と私は、コタツで、

のほほんとあくびをするメイの姿を見ながら思うのでした。

「衣」薀蓄(うんちく)書~山田編~2007.02.12

寺町店

こんにちは。

寺町店の山田です。

お店にいらしたお客様で、特に常連様から頂く言葉に、

「おもしろいね~!」というのがあります。

“きれい”とか“カッコイイ”と言われるより、何とも一言で

言い表せない「感動」が口をついてでる言葉であり、

楽しい・愉快だ・興味深い・心を惹かれる・滑稽(こっけい)だ・・と

こんな意味を持ちますが、一つに絞りきれないのでまとめて

「おもしろいね~!」・・・・個人的には衣の服に対する

最高のほめ言葉だと思っております。

 さて、「おもしろい」漢字で書くと「面白い」。

なぜだろう?と調べてみました。

「面(おも)」は、目の前が、「白い(しろい)」は明るくて

はっきりしたことを意味するそうで、目の前が明るくなった状態、

目の前にある景色の美しさを表す「面白し」という古語からきているそうです。

現在では、明るい感情を表す言葉としても広く使われていますが、

その言葉を紐解いていくと、目の前がパーっと明るくなった様に感じる“瞬間”

の事を表現していたのかも知れません。

息を飲むほどの景色を目にした時、追い求めていた謎が解けた時、

そして、心が晴々する程笑った時・・・きっとこんな瞬間でしょうか。

「言葉」の持つ意味を知ったとき、その言葉の持つ本当の「顔」も知れた

様な気がします。そして、同じ漢字が違う読み方をされた時、その言葉は

また違う顔を見せます。

「面白い(おもしろい)」が「真面目(まじめ)」や「面目ない(めんぼくない)」に

変わる様に・・・。

言葉の持つ“力”や“謎”はまだまだ図り切れません・・。

「衣」薀蓄(うんちく)書~藤原編~2006.12.25

寺町店


私が初めて“着込んだ味”という物に心を動かされたのは、
骨董市で出会ったボロボロなのにつぎはぎをし、あて布をしてまで
洗いこまれた 今までに見た事のない藍色の野良着でした。
野良仕事に用いられていただろう、この着物は、まさしく
「ジャパニーズデニム」の姿でした。
以来“インディゴを着込む”という事の魅力にとりつかれてしまったのです。
着て、汚れて、洗いを繰り返す。当たり前の服の日常ですが、使用されている
糸の太い・細い、編みたての強弱、染めの工程。
全ての違いによって、まったく異なる表情を見せるインディゴの服。
普通に洗剤を入れてぐるぐる洗う、柔軟剤だけで洗う、裏返して洗ってみる、
そして、手洗い・・・など、実験の様な日々を過ごしてみた事もあります。
でも、何が正しく、良い事なのかではなく、その服と過ごした過程の記憶が嬉しく
心に残ります。
“着込む”という事は、時間を経る、という事。
初めに書いた「野良着」の様に、ほころびや穴も出てきます。
しかし、それも自分の描いたデザインの一部分として取り入れてあげる事が
自分の生み出すビンテージなのだと思います。
そして、そこに又手を加えてあげる事(つぎはぎ、あて布)で、本当の
意味での世界でたったひとつだけの自分の服が完成されるのではないでしょうか。
皆様も、ぜひ自分なりのリペアを楽しんでみて下さい。

「衣」旅行記~奥田編~2006.11.13

寺町店

私は小さい頃から、親が旅行好きということもあり、実に様々なところへ旅行してきました。その中でも最も思い出に残っている場所での体験を一部ご紹介したいと思います。 

それは私が中学二年生の夏に家族と行った北海道での体験です。

北海道はとにかく広い!食べ物がおいしい!自然もいっぱい!

そんな北海道で、今でも一番印象に残っているのは、移動中の車の中から見た景色です。周りは、牧草地が辺り一面に広がり、あるのは小さな小屋や草を丸めた様な固まりがあるだけ。そんな景色に囲まれながら、どこまでも続く長い一本道をひたすら走っているのです。高い建物は全くないので、ぐるっと360度遥か遠くまで見渡せる その生まれて初めて見た景色に本当に言葉がでませんでした。また、その道の先は地平線の向こうに続いているので、「どこに繋がっているのだろう。まるで空に続いている様にも見えるなぁ、いったいその先に何が待っているんだろう」なんて事を考えながら、車の中からその雄大な景色を眺めていたのを覚えています。  そして、その道の先で、私達はある一匹のかわいいキタキツネと出会いました。

そのエピソードについては、また機会があればお話するとしまして、とにかく、私達にとってはその旅で見た景色、感じた気持ちひとつひとつが今でも私の大切な心の宝物となっています。

皆様はどんな心の宝物を持っていますか・・・・?  Img004_1

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