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「水辺に生きるもの」 松本パルコ店 丸山2012.05.28

『夏は夜。月の頃はさらなり、闇もなほ、蛍のおほく飛びちがいたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光て行くもをかし。』

「水」がテーマの春夏の衣、水辺に生きるモノ達がたくさん集まっています。蓮や鯉、金魚、カワセミに河童…そして『蛍』!冒頭の文章は、みなさんもご存じ「枕草子」の一節ですが、平安時代から「夏の夜の風情」を楽しむのにも、蛍はかかせないものだったのでしょうね。

私の家は田舎と言う事も有り、子供の頃は夏になると時々何処からか家の中に蛍が迷い込んできた、なんて事がまれにありましたが、今では蛍の生息できるきれいな水辺が減ってしまい、日常的に蛍を見る事はなかなか難しくなってしまいました。

ところで皆さん、蛍といえば「源氏ボタル」かと思いますが、「平家ボタル」もいるのをご存じでしたか?保護の対象とされやすい源氏ボタルと違い、あまり脚光を浴びることのない平家ボタル。放つ光も源氏ボタルに比べると弱く、身体も小さいのです。源氏ボタルの様に清流ではなく、湿原や水田に生息している為、『里の蛍』とも称されているのですが、その水田にも農薬などの影響や、水田そのものも減っている事などから絶滅の危惧もされているのです。

そんな平家ボタルですが、松本から車で40分程の“とある場所”で見る事ができます。2

控えめな彼らの舞う姿は、まさに「一つ二つなど、ほのかにうち光て行くもをかし」。冬には白鳥が飛来する事でも有名なその場所、川底が見えるほどきれいに澄んだせせらぎがあり、近くにはわさび田も広がっています。川からの涼しい風を感じながら、日中散歩をするのもとても気持ちが良い場所なのです!Photo

『里の蛍』と呼ばれている彼ら、意外とみなさんの身近にもいるかもしれません。夕涼みがてら、蛍を探しにそぞろ歩き、なんて風流を味わうのも素敵ですね。

さて、本物の蛍が見られるのはもう少し先ですが、一足先に、衣のお店にはホタルの姿が。是非ぜひ「衣の蛍」見にいらして下さいね! 3_2

京都・和・藍染め~衣(ころも)~

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