秋光、鮮やかに【寺町店スタッフブログ】2021.09.21
皆様こんにちは。寺町店の竹井です。
あちこちで鈴虫の声が聞こえ始め、空気もひんやりと澄み、すっかり月の綺麗な季節になって参りました。
店頭は長袖も増え、様々な新作が並び秋色に染まっております。
さて、良く耳にする「秋色」。
皆様はどんなお色を想像されますか。
濃く深い色だったり、トーンが低く渋い色だったり・・
夏や冬等、明確に体感する季節とは違い、季節が移行する時節にも名を付け愛でた日本人の感性が、ここぞと光る「秋の色」。
本日は、そんな静かな秋の色を、粋な日本の伝統色名にていくつかご紹介させて頂きます。
「栗皮茶」
名の通り、栗の皮の色に因んだ色です。暗い赤系の色を呈し、比較してみますと・・
微妙に赤い所が、まさに栗の皮ですね。
茶色だけでも、百種類を超えるほどあり、微々たるトーンの違いで本当に細かく分類されており驚きました。
京の台所、錦市場には今が旬の栗が並び、あちこちからいい匂いが立ち込めて思わずお腹が鳴ってしまいそうです。
「二藍」
お馴染みの藍色とは違い、灰みの紫系の色を呈し、淡い紫のような色合いです。
藍と紅花で染め出した物で、藍と意味を同じくして紅花は紅藍ともいい、青藍と紅藍の二種類の染料で染めることからこの名がつけられたそうです。
紅花は中国から伝えられた花で、呉の国の染料「呉の藍(くれのあい)」とも呼ばれ、今でいう「紅(くれない)」
はここから転じているそうです。
ちょうど今、三条店の店頭前では薄紫の花が綺麗に咲いております。
二藍の色、まさにこの花のようなお色かと思うのですが、いかがでしょうか。
色が視覚だけでなく、名にも歴史や謂れが詰め込まれており、趣のある深さに驚きました。
いつもの色の名だけでなく、古くから言い伝えられている伝統ある呼び名も掘り下げ、今年の秋を楽しもうと思います。