ころもづくり~手彩色編~2023.06.28
衣の夏の定番となりつつある「手彩色シリーズ」の新作はもうご覧になられましたか?
今年の手彩色作品はこちらの「デカ錦鯉手彩色Tシャツ」
過去、大鯰、カエル、金魚、鯉、オオサンショウウオなど多数の名作を生み出してきた「手彩色シリーズ」はもはや衣の夏の風物詩ともなりつつあります。
その手彩色という技法について、今回は実際に製作を担当しております私の視点からお話させて頂きます。
衣でいう手彩色とは、言葉そのまま、1枚1枚職人が手(刷毛)で彩色(染め)しています。
古くから、「手描き染め」や「手描き友禅」といった技法がありますが、それと同じ要領で、刷毛を使って1枚1枚色を入れています。
使う染料インクは、赤系、青系、黄色系などの基本的なものをベースにし、生地(縫い上がったTシャツ)の上で混ぜ合わせて様々な色合いを出しています。
この色とこの色を混ぜたら…こうなるなと、刷毛を進めていくのですが、同じようにやってても毎回微妙な色の差が出るため、なんとも作り甲斐のある作品なのです。
例えば、青系に赤系を混ぜていくと、紫になっていくのですが、青の分量が多い紫と、赤の分量が多い紫とでは、出来上がりの印象が変わってきます。
また、染料インクを直接生地に刷り込んで、その上で色を混ぜ合わせていくので、混ぜ合わせる色同士の境目をいかに綺麗に混ぜ合わせるかが重要なのです。
ただ、刷毛に他の色のインクが混ざってきてしまい、刷毛が汚れてしまった場合は、綺麗な色が出せなくなります。
その為、この手彩色の作業を行う時は、インクの数だけ刷毛を用意します。刷毛も、太いものから細いものと、色によって2~3本使う場合もあるので、
彩色の基本色が多ければ多いほど大変です…
作業を進める間は、刷毛が汚れたら洗い、汚れたら洗いを繰り返し行うなど、彩色の色に影響が出ないように心がけています。
また、染料インクは、乾くと色味が若干薄くなるのが悩ましいところで、何度も繰り返し見る事で、乾いた時の色味を予想して作業していかなければなりません。
その為、1枚1枚の色の仕上がりがとても楽しみで、思った通りの色味が出る度に、一人満足しながら次の作業へ進んでいます。
1枚出来上がるのになかなかの時間を要する為、大量にお店に送り出すことが難しい昨品ですが、お店で手に取った際は、ぜひ1枚1枚の色の違いを楽しんでください!
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