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「旅 ~伝統工芸を守る街を訪れる~」 三条店 柴田2013.06.04


こんにちは。三条店の柴田です。
私は先日、大学時代の恩師を訪ねて石川県金沢市に行ってきました。
初めての地へ弾丸の日帰り旅…。金沢といえば、新しくできた現代美術館や、
兼六園で有名ですが、加賀藩の城下町で歴史と文化が残る、
どこか京都にも似た趣深い落ち着いた町でした。

 

一番の目的は、金沢の美術大学で染織の研究と講師をしている恩師に会いに行くことでしたが、
金沢の工芸品に触れることを楽しみにしていきました。

金沢は加賀藩主が工芸・芸能の文化を奨励したことから多彩な工芸文化が息づいています。
加賀友禅・金沢久谷・金沢箔・金沢漆器・茶の湯釜など、まだまだ多くの伝統工芸が残っています。
それは金沢という市が、職人・作家、また工芸作家志望の若き世代をバックアップしている背景にあるそうです。

大量に安く、ものがあふれるこの時代、古き良きものの需要が減るとともに、
素晴らしい職人さんの技術や、新たに生まれるはずの工芸品が姿を消しつつあります。
京都の伝統工芸も例外ではなく、そんな現状を回避するべく、
金沢は若き作家を育成するため、援助をしたりそのための施設がいくつもあります。

その中のひとつ「金沢卯辰山(うたつやま)工芸工房」という施設へ行ってきました。

工芸資料の展示と、高い倍率をくぐり選ばれた工芸作家が作品を作る場として、
日本の歴史100選にも選ばれた卯辰山に立てられた施設です。
ちなみに、その卯辰山の麓では、昔から山から川にそそぐ水で加賀友禅染めをしていたと教えてもらいました。

金沢美術大学と金沢卯辰山工芸工房を訪れ、作家さんや学生さんが金沢の伝統芸を現代に受け継ぎ、
自身を表現する新しい作品を作っている姿は、とても素敵で刺激的でした。
京都でも、もっともっと金沢のような思想や制度が増えたらいいのにと、願わずにはいられません。

当たり前に過ごしている場所から一歩でて、見に赴くことの楽しさを久しぶりに実感しました!
次の刺激を求めて、また知らない場所を訪れる計画を立てたいと思います。

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