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はじめての衣 ~永田編~2008.04.29

気まぐれ日記をご覧の皆様
こんにちは。
工房にて、ものづくりに携わらせて頂いている永田です。
衣かわら版‐初めての衣‐という事で、
私は初めて「衣のものづくり」その様をこの目で見て、
体験した時の事をお話したいと思います。

 以前はお客さんだった「衣」というお店にスタッフとして入り、
お店に立たせてもらいながら、
合間では工房に入りものづくりのお手伝いをさせて頂きました。

 1枚の版の上にインクを引き、その版をあげた時に出てくる表情が
1着ずつ異なる「手刷り印刷」。
刷り上った物はインクの乾ききらないうちにどんどん並べるので、
隣りあった物同士で色移りしない様、細心の注意が必要。

 抜染糊を盛り、その糊を落とした時に出てくる色が何ともおもしろい「抜染」。
ほとんど1日中、糊を落とし続けた日もありました。

 何度も何度も反復運動を繰り返し、落ちる針先から柄が描かれる
「手振り刺繍」は漫画を見ている子供の様にずっとその場から動けなくなってしまいます。

・・・そんなある日、衣主から一つの課題をもらいました。
それは、「どこか寂しい前掛けにポケットを付けておもしろくして欲しい。」
といった内容のものでした。
当時から服作りは好きでしたが<衣>の「こ」の字を勉強し始めたくらいの私は、
必死であれやこれやとポケット1つのデザインを考え、
あまりにも突然な課題に緊張は頂点まで高まり、
それに気付き緊張をほぐしてくださる為に掛けて頂いた
先輩方の声などは全く耳に入っておらず…。
今となっては笑い話の1つですが、その時の情景は今でもよく覚えています。
そんなポケット作りも無事、合格を頂きお店に並べて頂きました。
残念ながら、その前掛けの写真を残しておらず、
このお話を読んで下さっている皆様にはお見せする事は出来ないのですが、
今もどこかでだれかの腰に巻かれている事でしょう。

 衣のものづくりを知り、お客様に伝える側に立つ。
つい先日もお店に立ち、たくさんのお客様にお会いし、
お話をさせて頂く機会がありました。
 1つ1つ思いを込めてものづくりされている作品達を1人でも多くの方に伝え、
それを聞いて少しでも共感頂ければ幸いです。

これからも「衣のものづくり」をしたいと思います。
よろしくお願い致します。

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