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福袋と鶏がらスープ2006.01.09

東京や名古屋のスタッフも集まり、年一回全員で大騒ぎをする衣の忘年会。
楽しみに帰ってくるスタッフのため鶏がらスープを作った。
福袋でゴッタがえしている工房の中で一時の優しい匂いが部屋中にひろがる。
朝早くから、大きな鍋でコトコト煮込んで夕方にやっと白くにごったスープが出来上がったが、二十数名のスタッフが囲んで食べると一瞬でなくなる。
”福袋みたい”とこっそり心で思った。
半年くらいかけて、福袋だけの柄を描き、伊勢和紙を彫り、刺繍をうち、年末ギリギリにやっとできた物は、寒い中朝早くから並んで下さったお客様のところへ秒刻みで旅立ってしまう。
少し前、京阪電車”おけいはん”のCM撮影に衣スタッフが出演させて頂いた。
たくさんのギャラリーに見られている快感が忘れられないと洩らしていた事がある。
服はきっといつもそうなんだろう…。
いろんな人に見てもらう為、精一杯おめかしをして並んでいるのかもしれない。
それに比べて福袋の作品たちはスタッフですら目にする事はなく、ひっそり袋に入れられ封を開けてくれるたった一人の為、息を潜めて静かに待っている気がする。
手にされる、お客様の笑顔の為に、お客様にとって本当の福袋であるように…。

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