襤衣(らんい)らしく育てるお手伝い2011.08.17
みなさんこんにちはコロモールの禾本です。
今回のスタッフブログのテーマ「襤衣(らんい)」…
どういうものが私らしいのかと考えていた所、
私自身の技術と言うのでしょうか、1つの手仕事について思い当りました。
ここ、コロモールではお客様が長年着込んで下さり、
経年によるダメージで穴があいてしまった。
という様な作品たちが届き、時折、チクチクと修理をするのです。
そのためコロモールでは身近に襤衣になる作品たちの姿があります。
私がリペア(お直し)に携わる事になってから、
まだ年数は少ないのですが、でもこの数年でもいろんな生地と向き合う事が増え、
そのたびに色々考えさせられ、それが楽しいのです。
リペアは、その人が服と共に過ごしてきた過程があり、
また今後お付き合いする上で「こう直してあげたらいいなー」と思い、
カタカタ、チクチクと針を入れています。
最近直したものでいうと襤褸(らんる)のジャケットです。
襤褸という希少な素材にたいしては、店頭でも滅多と出会える事もなく、
このリペアをする際に、衣主には生地の事や、
昔の人の想いを考え、手を動かしなさいと言われました。
実際にやると不思議なくらい表情が変わりました。
まだまだ未熟ではありますが、少しずつでも襤衣らしく
表現できるようになりたいと思う今日この頃です。
長く大切に着て頂きたい…、またそういう気持ちでお直しさせて頂きます。