もの作りのハナシ1 -行燈(あんどん)桜ロングTシャツ-2009.02.18
やわらなか、ふくらみのある独特な風合いの、
衣の定番ジンバブエコットンが今回のキャンバスです。
何もない、ただそれだけでも十分に魅力ある長袖Tシャツ。
そこには落とし込まれた最初の加工は“彩色”。
大小様々な大きさの伊勢和紙、
複数の色を使い分け、
手作業で1着1着に色がのせられていきます。
色と色との境界線、
そこには2度と同じに作れない色が見えていますね。
次に“染め”の加工が加わります。
手間ひまをかけて作り出された彩色の色は、
ここで一度身を潜めます。
1色は暗闇の夜の色に。
1色は遊郭の様な艶っぽさを感じさせる色に。
一度は潜めた彩りも、次の“抜染”の工程で、
その色をさらに変化させおぼろげな姿をみせてくれました。
一枚の和紙を通し見える光と、そこからこぼれる光。
そのひと時を表現したく、
あえて手間をかけた物作りに取り組みました。
仕上げは篆刻。
1針1針が連続した時、
最初にイメージした図柄を浮かび上がらせる刺繍で
“衣”は刻まれています。
この作品は「行燈桜」という名が付けられました。
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