生地のハナシ11 ~リサイクルコットン~2009.03.04
気まぐれ日記をご覧のみなさま、こんにちは。
今回は「リサイクルコットン」についてのお話です。
衣でも度々登場する素材で、
本当に“衣らしさ”を表現するのにふさわしい素材ではないでしょうか。
そもそも綿の繊維は同じ種類、同じ産地であっても 一本一本少しづつ長さが違います。
その長さの異なる物同士をムラのないきれいな糸に紡ぐ時、
どうしても出てくるはみだし者。
これらは<落ち綿>とか、<クズ綿>と呼ばれるのですが、
こんなはみだし者達をもう一度集め、ひとつにまとめ、
紡がれた物が「リサイクルコットン」と呼ばれるものになります。
1本1本の繊維が短く、紡績するのが大変で手間がかかる為、
普通は焼却されてしまうのだとか…。
<生成り>色に見られるポツポツと黒い点は、綿カスの名残。
古寺の昔から使われ続ける“襖(ふすま)”の様な顔に
“衣”は魅せられ、漂白することなくわざと残しています。
とても素朴な表情としなやかさは、この素材固有の物。
衣では今までも取り組んできた様に、
これからも使い続けられる素材となるでしょう。
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