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「日本昔話 ~巡り巡る~」松本パルコ店 一ノ瀬2015.03.17

「昔、むかし・・・」で始まる昔話。読み返すとと、案外深い話が多い事に気付きます。生きるための教訓を、その時々の物語は教えてくれ、人々は未来に語り継いできました。私の地元に伝わる《タコの足》も、教訓を教えてくれる物語の一つです。

普段からケチで有名な老婆は、ある日岩場に張り付く巨大なタコの足を見つけ、金儲けを企みます。大きな足を日に一本切り落としては街で売りさばき金を荒稼ぎした老婆は七日目の夜、夢を見ました。

出てきたのは足を失ったタコ。「この一本を失えば、もう・・・私は生きる事が出来ない。」夜明けに目が覚め岩場へ向かう老婆。タコの姿を目にしたとたん、夢の事など忘れてタコの足を引っ張り始めた老婆は突然めまいを起こし、海に転落。やがて、空をつんざく雷鳴が嵐を呼び、一晩中吹き荒れたのです。


転落した老婆をその後、誰も見る事無く。海は何事も無かったように穏やかに凪いでいました…。


日本昔話 松本パルコ 一ノ瀬

救いようの無い因果応報の物語でしたが、その時の行動や思いが結果を招くように、人は様々な輪を作りながら生きているように思います。それは『出会い』と『別れ』も同じ。皆さんそれぞれに、素敵な輪が生まれますように。

松本パルコ店より一ノ瀬でした。

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