雀の恩返し ~大竹版~2015.05.18
先日起きた少し不思議なお話し。
暖かなある日、代官山のあるところで・・・、今日は気持ちも良いので外で昼食をとろうと、パンとおにぎりを買いベンチで食べていました。ふと気がつくと、雀が一匹。私の近くをぴょんぴょんと跳ね回っているではないですか。人を警戒せずに近寄り、もう少しで膝に乗りそうな距離間。
これはこれは可愛い雀だと、たまらずパンを小さくちぎって投げてやると、すぐにくわえて飛んでいってしまいました。そのあっさりした対応に寂しさを感じながらも食事を続けていると、また目の前にさっきのステップを踏む雀が戻ってきたのです。
今度はちょっと大きめのパンを投げてみると、またくわえてすぐ飛んでいきました。気になったので行き先を目で追いかけていると、20メートルほど先の木へ。おそらく自分が食べるのではなく、巣にいる子どもたちのためなのでしょう。そう思い、戻ってきた雀にまた大きめのパンをあげました。雀はくわえて飛んでいき・・・また戻ってきて、パンをくわえて飛んでいく・・・
そのやり取りがしばらく続いたあるとき、雀が白いものをくわえてやって戻って来て、パンの代わりにその何かを置いていったのでした。
「ありがとうございました」
そう言ったかどうかはわかりませんが。その白いものをおそるおそる近くで見て触ってみても、ただの白い硬いかたまりで、正体はわかりませんでした。昔話のように金銀財宝とまではいきませんでしたが、雀の恩返しは本当なのかもしれません。お返しは何であれ・・・
そんな暖かな日の出来事でした。