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生地のハナシ ~刺し子編み~2010.11.17

こんにちは。今回のお話は【刺し子編み】
以前【刺し子織り】 ケイタイの方はコチラからを紹介させていただき、その後、数々の“刺し子織”作品が登場してきました。

そしてようやく出来上がった、全くの新しい衣オリジナル素材【刺し子編み】は、【刺し子織り】似た表情をしているけれど、良く見れば違う顔。その肌触りは“力強さ”よりも“優しさ”が秀でた印象。Sasikoami

“編み”でこんな顔が作れるなんて、きっと誰も考えたことがなかったから、今まで世の中で1度も見たことのない、特別な顔をした特別な素材。 この感動は、写真で見て感じ、実際に見て感じ、触ってみて感じられる。 着続けることで、新しく感じれる何かが、きっときっと生まれてきます。 それは、この素材だから自信を持って言えること。

そして『刺し子』といえば、以前の“生地のハナシ”で言っておりました“別のハナシ”。 せっかくですので、お話させていただきます。

場所は青森県、この地域の冬は「厳しい自然は、北東北の宿命。」とも言われるほど厳しいものです。 その昔、藩の統制で絹織物はごく一部の人しか着る事を許されず、それが着られない人は「絹がだめなら木綿」と考えるは当たり前だと思います。 ところが、寒い寒いこの地方が、綿花を育たせなかったのです。

そして選べる材料として残されたものは『麻』…。 裁縫をする女性たちは、この許される限りの材料を使い、何枚も生地を重ね『刺し子』を入れて、この地にふさわしい素材へと、家族のためにと、一身に縫い続けました。Sasiko

青森には『泣いてあやぐる(奪い合う)形見分け』という言葉があるらしい。 親が亡くなると親類縁者の女性が集まり、遺品の衣類、布、糸を泣きながらも取りあう事を言うそうです。 今はそんな事はないのだと思いますが、衣類が貴重な時代の少し悲しい言葉、それは“女性たちは布に命のあることを知っていた”という事の証であり、そんな“思い”を惜しみ、“心”をこめ、布をいたわり作った生地が『刺し子』なのです。 1つの素材を本当に大切にしないといけないと思わせてくれる『刺し子』のオハナシでした。

このオハナシと共に“刺し子”で紡がれた縁ある素材【刺し子編み】、どうぞ お楽しみくださいませ。 【刺し子編み】作品へはコチラから。

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