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異国で出会った1冊の本。2017.04.11

こんにちは!期間限定ショップの赤瀬です。

今回のテーマは「異国」
日本文化大好きの私にとって、異国と言われてもピンとこなかったのですが…。ひとつ、異国の思い出があったのを思い出したので、お話させていただきます。

もう、ずいぶん前の事です。
行きと帰りのエアチケットだけ購入して、行き当たりばったりのタイ旅行へ行った事があります。バンコクの空港に着いたのは、夜中の12時。さて…ここからどこへ行けばいいんだろう。タクシーの運転手さんに駆け寄り、「宿が無い…どこへ行けばいいですか?」

ここからスタートした旅でした。

運転手さんに教えてもらって向かったのはバックパッカーの聖地とも呼ばれる“カオサン通り”。安宿街が有名で、私が泊まったゲストハウスも確か1泊300円くらいだったような記憶があります。

その安宿で、偶然一緒になった日本人バックパッカーに「タイに来たならこの本を読んだほうがいいよ」と手渡された1冊の本。

遠藤周作の“王国への道”
王国への道遠藤周作
日本に帰ってきてから、読むことになるのですが、徳川家康が活躍した江戸時代にタイへ渡った2人の実在した日本人のお話です。

ひとりでアユタヤへ渡り、リゴール地方の太守にまでのぼりつめ、富と権力という目に見える「地上の王国」を築こうとした山田長政。日本を追われた日本人キリシタン信者で、目に見えない心に重きを置く「天上の王国」を築こうとしたペドロ岐部。

この、相反する2人の信念を対比させながら進んでいく波乱万丈なストーリーは本当に見事で、歴史的資料が非常に少ないので、著者がある程度肉付けをしているとはいえ、壮絶な2人の日本人の生き様がリアルに描かれています。

読んでいるうちに、訪れたタイの風景がありありと浮かび、一気に物語へ引き込まれていった私ですが、日本を捨てながらも日本人として生きた2人の人生から異国を知って日本を知る最初の体験だったように思います。
タイ写真 (1)
話はそれてしまいますが、このブログを書くにあたり、久しぶりにその当時の写真を引っ張り出して眺めてみたのですがフィルム写真はいいなぁ~。最近はプリントをして写真を眺める事がほとんど無くなりましたが、やはり、こうやって並べてみていると、訪れた街の空気や熱気、匂いまでもが一気に蘇ってきます。

フィルムカメラを持ってもう一度、あの混沌とした街に行きたいなぁ…と思う今日この頃です。
タイ写真 (2)

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