「時と水」 名古屋店 藤原2012.04.16
桜も咲き誇る季節の変り目に、名古屋店は新しいお店へと移り変わりました。名古屋店のオープンに足をお運び頂きましたお客様、誠にありがとうございました。移ろいゆくものに思いをはせる。そんなものを、ふと思い出し、今回は私、藤原が「水」ブログを担当いたします。
『ゆく河の流れは絶えずして しかももとの水にあらず よどみに浮ぶうたかたは かつ消えかつ結びて 久しくとどまりたるためしなし』
ーゆく河の水の流れは絶える事無く流れ続け、それぞれ元の水ではない。淀みに浮ぶ泡は消えたかと思うと浮び出でて、いつまでも同じ形でいる事はない。ー
二度と戻らない物や、二度無い事。それらを『無常』という仏教の言葉と合わせて思いをはせた冒頭文。どこかで耳にした事のある様な無いような。
これは鴨長明によって描かれた『方丈記』の一文です。鴨長明は平安末期から鎌倉初期の頃、大地震を含め、いくつかの天変地異や遷都という世の中が混乱をしていた時代を生きました。
鴨長明によって書かれた、時の流れを河の流れに例えたとらえかた。水は多くの物を例える姿でもあると思います。水の姿の変化でもそうですが、一つに留まることも無く、何よりもの力になるのも水です。
自身は無色で透明。
運び動かす力。
絶え間なくゆらめくさま。
そして何よりもこの物語の一文が語るのは、世の中に常なるものはないけれども、河の流れ自体は絶えない。というある種の歴史観も含まれます。
衣も京都から生まれ、名古屋の地に根をおろし、皆様に育てて頂き、これからは大須で新たなお店と時間を築いていきます。京都よりの思いを胸に、時の流れと共に育つ衣を皆さん楽しみにしていて下さい。
新しいお店でお待ち致しております!!
京都・和・藍染め~衣(ころも)~
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