滅びつつある日本の宝 ~菊姫の首塚編~2023.08.16
菊姫の首塚のお話
福岡県には有名な心霊スポットの一つとされる「菊姫の首塚」
菊姫の首塚ではこんな心霊現象の目撃談があります。
まず、菊姫様の殺された3月23日の夜には、首のない菊姫の死体が首を探し回るそうです。
そして、次年になると今度は体のない菊姫の首が体を探し回る、、、。
さてさて、なぜこのような首塚が建てられることになったのか?
時は遡り、天文4年(1535年)戦国時代の真っただ中
今の福岡宗像市のあたりを当時収めていた、有力者の第76代宗像(むなかた)大宮司の宗像正氏と正室との間の一人娘でした。
菊姫が生まれた時代は戦国時代で、家督争いや殺し合いなどが日常茶飯事で、
裏切りなども、後を絶たない戦乱の世だったことは言うまでもありません。
その当時の宗像氏は山陽地方の有力武将大内氏に属する一族でした。
そして、菊姫は14歳で結婚し、当時としては順風満帆な日々を送っている…ハズだったのです。
18歳の際に家督争いに巻き込まれ、母親、従者とともに惨殺されてしまいます。
実際に、菊姫が惨殺された後、怪死する者、心を病んでしまう者、病に倒れる者、戦死するものなどが多く、
決していいことがなかったそうです。あまりの事に恐怖を感じた一族は、
菊姫たちの霊をまつるために増幅院を建立し6体の地蔵が刻まれ、地蔵尊をつくり祀った。
そんな物語が背景にある作品がこちら!
「菊姫の首塚 大島紬着物オープンカラーシャツ」
滅びつつある日本の宝~大島紬編~2023.08.13
~ 大島紬 ~
「一度は着てみたい憧れの大島紬」とも言われ、「日本の民族衣装を代表する着物(キモノ)の女王」とも言われる高級絹織物。
それが鹿児島県 奄美大島で作られ続けている「大島紬」です。
車輪梅(奄美の方言で「テーチ木」と呼ばれる木)を煮出して取り出した“自然の色”と、大人が立っても腰まで つかる「泥田(どろた)」の持つ“大地の色”が結びついて現れる色。
細かな点と点を合わせて作る絣の美しさが特徴。
泥染めは禁止から生まれた!?
初期の大島紬は自家用として織られ、島民たちが愛用していた。
しかし、江戸幕府の支配下になった際に、見事な大島紬は貴重品として注目され薩摩藩への上納品となった。
それに伴い、庶民が身に付けることを禁止する「着用禁止令」が下された。
所持することも禁じられ、見つかると投獄や打ち首に処される場合もあったという。
そのような状況にあっても自分で織った紬を手元に残してきたいという思いが庶民の中にあり、
ある時、役人の取り調べにあった農家の主婦が自分の着物をそっと泥田の中に隠したという。
隠した紬を取り出して洗ってみると、なんとも美しい、光沢のある黒に染まっていた。
一説には、これが泥染の始まりと言われている。
そんな大島紬の着物を丁寧にほどき、生まれ変わらせたのがこちらの作品たちです!
https://online.koromo-kyoto.com/collections/oshima-tsumugi-kimono
ゆったりとした夏を蛍と共に、【三条店おすすめ着合わせ】2023.08.12
皆様こんにちは!
8月に入り更に気温が上がり心身ともに疲れて
どうにか少しでも涼めないか悩むこの頃ではないでしょうか。
心身を少しでも休めて頂けるよう衣より涼し気な着合わせをご紹介させて頂きます。
「蛍草インディゴ刺子半袖シャツ」
「市松刺子切替半袖Tシャツ」
「市松刺子リラックスパンツ」
「妖怪 革サンダル」
夏にはサッと履いて出掛けられるサンダルに、
とても着やすく風通しも良い刺し子生地のリラックスパンツ、、
物足りぬ様に刺し子生地のシャツをサッと羽織り、
中はシンプルにインディゴで締めてみました。
羽織りのシャツには蛍たちが蛍袋の花の中や葉の上で
静かに、優しく光っています。
蛍は成虫になってからわずか2週間しか生きられないそうです。
この暑い夏もまたいずれかは終わります。
描かれた蛍たちを見て良い夏だったと思えます様に…皆様の大切な夏の思い出が一つでも多く出来ると
良いなと思っております。
ころもづくり~手振り刺繍(横振り刺繍)編~2023.08.08
衣でお馴染み手振り刺繍についてお話したいと思います。
手振り刺繍のミシンは通常のミシンと違い、足元のペダルと右膝部分にもう一つ針の幅を操作する為の調整レバーがついています。
膝でレバーを動かし針の幅を変え、足もとのペダルで速度をコントロールしながら手で生地を動かし刺繍を入れていくため、沢山の動作を一度に行わないといけません。
私も一度触りましたがとても難しい・・・
足の上下左右の動きに混乱し1本の線すらまともに入れることが出来ませんでした。
熟練の技を持つ職人さんに話を聞くと
「刺繍を入れる植物や生き物を理解し、絵が描けないと刺繍は入れられない。」と言っておられました。
確かに…
職人さんが刺繍を入れている姿は、まるで針が筆、糸は絵具、布のキャンバスに絵を描いているよう・・・
始めは型の線があるものの刺繍で埋めていけば線は見えず、その後はフリーハンドで刺繍を入れていくので絵が描けないといけない。
だんだんと浮かび上がってくる刺繍は何度見ても飽きません。
この素晴らしい技術を持った職人さんは、今では人数が少なくとても希少な存在です。
そんな職人さんの技術が、衣の作品には数多く登場します。
先日もお店で行われたイベントでの刺繍入れは、職人さんがいる今しか出来ない本当に貴重なイベントなのです!
コンピューター刺繍とは違い、刺繍を入れられる場所も様々、職人さんの気分で変わる生き物の表情や表現方法、糸の盛り上がりの立体感は一枚一枚職人が想いを込めて手作業で行うからこそ魅力のある作品になります。
これからもっと減ってく職人さんの技術と想いを途切れさせないように・・・
衣の作品を通じて沢山の方に知って頂きたいと思います。
最後に少しだけ・・・
まだお店に出ていない作品にすごい刺繍が入ったのでチラッとお見せします。
ガイコツが着ている着物の柄は、一枚ずつ柄が違いフリーハンドで職人さんが柄を刺繍しています。
どのこのお店に現れるかはまだお楽しみ!!
夏の小物テク【三条店おすすめきあわせ】2023.08.01
皆様こんにちは!三条店です。
少し歩いただけでじわじわと汗がでてくるこの季節。
湿度も高く寝にくい毎日ですね。。
そんな日々に最適な新作を紹介したいと思います。
「空の上の蓮半袖ロングワンピース」
「青い蝶尾金魚ストール」
「牡丹とろとろレギンス」
「インディゴベレー帽」
「百花蝶レディース雪駄」
「唐草の実一連ネックレス」
「黄金の菊イヤリング」
ざっくり着れるワンピースが入荷しました!
裾に向かって広がってくれるラインは涼しく綺麗に演出してくれます。
胸元と裾の抜染も綺麗ですよね。
クーラー除けに日差し除けに、、
多用途に使えるストールは蝶尾金魚でさらに涼し気に。
帽子はワンピースと同じくインディゴで。
ネックレスやイヤリングともマッチし小物で雰囲気を変えてくれます!
雪駄は百花蝶がちらっと見えるお洒落な一足。
夏感が一気にアップしてくれます!
暑い夏ですが、是非新作チェックしに店頭へお越し下さいませ!!
渋くレトロに【名古屋店おすすめ着合わせ】2023.07.16
湿度の高いムシっとする、今日この頃。
シトシトと降り続く梅雨の雨のイメージでしたが、最近では局地的に激しい雨が降ったかと思うと弱くなってと予測がなかなかできない天気が多いですね。
夏になると、外に出ると汗をかき、屋内に入ると冷房がよくきいていて身体が冷えてしまう事も多くあると思いますので、そんな時のおすすめの着合わせのご紹介です!
前回の寺町店の着合わせでご紹介いたしました「市松刺し子リラックスパンツ」
こちらと同じ生地のシャツもございまして、柔らかくて軽いので脱ぎ着がしやすく羽織るだけで冷房対策にもなります。
しかも刺し子で市松模様を表現しているので他にはない、大人な雰囲気の市松模様となっております。
シャツがレトロ感のあるシックな雰囲気ですのでレトロなリメイク作品のボトムズを合わせました。
少し肌が出るだけで、体感温度も変わり涼しく感じる七分丈のゆったりとした飼料袋をリメイクしたパンツです。
雪駄は、前掛けの生地をリメイクしたものですので、丈夫で経年変化も楽しめる同じものはない一点もの。
インナーには落ち着いた色味を。
カッパ達の表情がちょっとした遊び心を足してくれます♪
シャツを羽織るとチラリと見えるカッパもいいですね!
熱中症に気を付けて、この季節の着合わせを楽しみましょう!!
ご紹介作品
「市松刺子シャツ」
「仲間外れとダリア 半袖Tシャツ」
「市松刺子リラックスパンツ」
「前掛けリメイク雪駄 (角型)」
「ストローハット」
爽やかな夏にしましょう!【三条店おすすめ着合わせ】2023.07.04
皆様こんにちは!
梅雨の季節になり、ジメジメした毎日になってきました。。
今日はサラッと爽やかに着て頂きたい、着合わせを紹介致します!
「青い金魚クレスト釦ワンピース」
「カラー花束半袖」
「蓮華パンツ」
「リングワンショルダーバック」(芍薬)
「唐草の実一連ネックレス」
派手過ぎず爽やかに。
歩いているだけで涼しくなれそうなワンピース。
何といっても着心地が抜群!
綺麗なラインを見せてくれてまとわりつく感じはなし。
おススメワンピースは前開きにも着て頂けます。
また違った表情を見せてくれる万能なワンピースです!!
中にはインディゴのTシャツを。
華やかなカラーの刺繍。
羽織っていてチラッと見せるも良し。
白のパンツと相性抜群です!!
何度も紹介しております、蓮華パンツ。
本当に合わせやすいこちら。
もちろん着心地も最高です!
インディゴや青の服に合わせたくなるこちらのバック。
たくさん入れていただけるので、暑くなった羽織を入れるのも◎
皆さんジメジメの梅雨も爽やかファッションで乗り切りましょう!!!
ころもづくり~手彩色編~2023.06.28
衣の夏の定番となりつつある「手彩色シリーズ」の新作はもうご覧になられましたか?
今年の手彩色作品はこちらの「デカ錦鯉手彩色Tシャツ」
過去、大鯰、カエル、金魚、鯉、オオサンショウウオなど多数の名作を生み出してきた「手彩色シリーズ」はもはや衣の夏の風物詩ともなりつつあります。
その手彩色という技法について、今回は実際に製作を担当しております私の視点からお話させて頂きます。
衣でいう手彩色とは、言葉そのまま、1枚1枚職人が手(刷毛)で彩色(染め)しています。
古くから、「手描き染め」や「手描き友禅」といった技法がありますが、それと同じ要領で、刷毛を使って1枚1枚色を入れています。
使う染料インクは、赤系、青系、黄色系などの基本的なものをベースにし、生地(縫い上がったTシャツ)の上で混ぜ合わせて様々な色合いを出しています。
この色とこの色を混ぜたら…こうなるなと、刷毛を進めていくのですが、同じようにやってても毎回微妙な色の差が出るため、なんとも作り甲斐のある作品なのです。
例えば、青系に赤系を混ぜていくと、紫になっていくのですが、青の分量が多い紫と、赤の分量が多い紫とでは、出来上がりの印象が変わってきます。
また、染料インクを直接生地に刷り込んで、その上で色を混ぜ合わせていくので、混ぜ合わせる色同士の境目をいかに綺麗に混ぜ合わせるかが重要なのです。
ただ、刷毛に他の色のインクが混ざってきてしまい、刷毛が汚れてしまった場合は、綺麗な色が出せなくなります。
その為、この手彩色の作業を行う時は、インクの数だけ刷毛を用意します。刷毛も、太いものから細いものと、色によって2~3本使う場合もあるので、
彩色の基本色が多ければ多いほど大変です…
作業を進める間は、刷毛が汚れたら洗い、汚れたら洗いを繰り返し行うなど、彩色の色に影響が出ないように心がけています。
また、染料インクは、乾くと色味が若干薄くなるのが悩ましいところで、何度も繰り返し見る事で、乾いた時の色味を予想して作業していかなければなりません。
その為、1枚1枚の色の仕上がりがとても楽しみで、思った通りの色味が出る度に、一人満足しながら次の作業へ進んでいます。
1枚出来上がるのになかなかの時間を要する為、大量にお店に送り出すことが難しい昨品ですが、お店で手に取った際は、ぜひ1枚1枚の色の違いを楽しんでください!
金魚柄で涼しく!【名古屋店おすすめ着合わせ】2023.06.26
皆様こんにちは!衣名古屋店です。
30度前後の真夏日の気温になることも多くなってきておりますので
夏を意識した着合わせのご紹介です!
「泳ぐ金魚群れ」をメインに
金魚をテーマに着合わせてみました!
これから暑くなる季節に、大活躍、間違いなしのジンバブエコットン生地のtシャツに、
睡蓮の咲く水辺を泳ぐ金魚たちが、刺繍と手刷り印刷で表現されております。
上着は、さっと脱ぎ着のしやすい麻生地の「2WAY 半袖衿立ブラウス カラー」
ボタンがある方を前に着ても、後ろにして着てもいい2WAYですので着合わせの仕方も色々できる優れもの!さりげなく表現されたカラーの花もいいですね♪
足元は、新作の「蓮と金魚 レディース雪駄」
こちらも金魚で合わせて!
降ったり止んだりと、はっきりしない梅雨の季節ですが
今の季節を楽しみましょう!楽しんだもん勝ちです!
~ご紹介作品~
「泳ぐ金魚群れ半袖Tシャツ」
「2WAY 半袖衿立ブラウス カラー」
「金魚 袴パンツ」
「蓮と金魚 レディース雪駄」
「2WAY ミニハンドバック(牡丹)」
「ストローハット」
ころもがたり~市松模様編~2023.06.18
私達、衣の作品でも度々登場しております市松模様。
東京五輪のシンボルにも採用され、又、アニメの影響もあり一躍有名になった柄模様です。
今回はそのルーツについてひも解いてご説明いたします。
格子模様の一種で、日本伝統模様のひとつ。
正方形や長方形を格子状にシンプルに並べたデザインは、上下左右に途切れることなく終わりのないイメージなため「永遠」「発展」「繁栄」の意味を持つ縁起の良い柄。
古くは「石畳」「霰(あられ)」なとど呼ばれ、日本では昔から様々なモノの意匠模様に使われ、その歴史はびっくりするほど古くなんと!!
古墳時代にまで遡り、埴輪の服の柄にも使われていたというほど古くからある模様。
そんな長い歴史を持つ「市松模様」
市松という名前が付いたのは江戸時代中期に「佐野川市松」という人気の歌舞伎役者が、舞台衣装で白と紺を色違いに並べた模様の袴を身につけて登場したところ、女性たちの間で人気になり、大流行し「市松」と呼ばれるようになったと言われています。
衣でも「市松」を使用した作品がたくさん登場しております!
織りや編み、手刷り印刷など様々な技法を駆使した「市松模様」の作品たちは落ち着いた雰囲気の中に「粋」を感じさせる、なんとも魅力的な仕上がりです!
中でも、今までの作品の中で私の一番のお気に入りはこちらの「変形市松」。
いびつな四角が並ぶ市松模様なのですが、よくよく探すとランダムな四角の中に、ところどころでちゃんと四角になっている部分があるのです!何とも衣らしい遊び心あふれた作品ですね。
はてさて、今後はどのような市松が飛び出すのか!?
まだ見ぬ次の市松模様が私自身も楽しみでなりません。前回は買い逃がしましたので、次回の新作こそは必ず手に入れたいと思います!(笑)
23年春夏、大注目の「市松刺し子」はこちらのブログよりご覧くださいませ。
「ころもがたり~KRM市松刺子編~」