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もの作りのハナシ4 -告白蛙 春物語-2009.04.22

かわら版 -もの作りのハナシ-

気まぐれ日記をご覧の皆様、
こんにちは。
今回は、衣姫の「告白蛙 春物語」に注目してみます。

衣でも人気の“ジンバブエコットン”を使った 衣姫Tシャツに、
すっかり定番化(!?)しつつある「告白蛙」シリーズが
落とし込まれました。

「告白蛙」を ご存知ない方も おられるかも知れませんね。
では、少し前から振り返りたいと思います。Photo

初登場したのは 昨年の夏。
雌カエルが 膝をかかえ たたずむ、蓮のゆりかご。
そして心に秘めた思いを、一輪の蓮の花に込め
雄のカエルが姿を現し、告白をする。というのが第一話。

少し時がたち、秋になると第二話が登場。Photo_2
なぜか 背中を向ける二匹のカエル。
蓮の花も散り始め、哀愁の秋が感じられた作品でした。

そして、今回がその続編となる 第三話。
寒い冬を乗り越え、二匹はどんな春を迎えたのか…。

気になる方は、こちらから。
告白蛙 ~春物語~【白】
告白蛙 ~春物語~【墨黒】
告白蛙 ~春物語~【えんじ】

衣の作品には、この様に1話では完結しない 長編ドラマも
数多く 登場します。
衣が表現したい事は“情景”。
一枚の絵の様に、動植物の一瞬の姿を 切り取った作品も、
「告白蛙」の様に ストーリーを作り出すのも、“情景”があればこそ。

そんな思いをお伝えしたかった、今回のおハナシでした。

もの作りのハナシ3 -雲の中の獅子-2009.03.27

かわら版 -もの作りのハナシ-

気まぐれ日記をご覧の皆様、
こんにちは。
今回 取り上げる作品は「雲の中の獅子」。

生地はその着心地感に惚れてしまう、
ジンバブエコットン

そこに落とし込まれた、2体の獅子。
その表情はどこか いつもと違うと思いませんか?
では、なぜそう感じるのでしょう。

それは、この柄が手で彩色されているから。

“彩色”は 衣 の作品が手作りである事を
お伝えするために 使用する技法で、
よくご存知の方もおられるかと思います。

ただいつもと違うのは、“手塗り”だという事。

職人が色を持ったのは、その自身の手。
1着1着に色の“のび”は異なり、
生地の様子を うかがいながら その色を のせていきます。

適度な水分がさらに、この色に“にじみ”を与え、
薄い“もや”が かかる様な立体感ある 雲を作りだしています。
だからこの獅子は「雲の中」という題が付いています。

人が考えに 考えぬいて 作り上げられたものではなく、
人の技法と 自然の力が出会い 作り上げられた、
独特の表現・表情をお楽しみください。

雲の中の獅子半袖Tシャツ【薄鼠】

雲の中の獅子半袖Tシャツ【薄茶】

もの作りのハナシ2 -河骨(コウホネ)とカワセミ半袖T-2009.03.11

かわら版 -もの作りのハナシ-

気まぐれ日記をご覧の皆様、

こんにちは。

「物づくりのハナシ2」 語らせて頂きます。

これまでも色んな技法を使い分け、
その表情を様々に変化させ続けている
定番インディゴ撚糸が今回のハナシの舞台。

伝統工芸士の業により、細く繊細な線まで忠実に再現された 伊勢和紙を、
1着ごと大きさの変わるTシャツにあわせ、 三度も配置される“抜染”。Photo
(※左と右のそれぞれの河骨と、胸元のカワセミの三度)

小さいながらも、その色で存在感を表す 黄色い花は、
時間を惜しまず、丹念に手作業で“彩色”されいるので
インディゴの水面にも映えて見えます。Photo_2

そしてさらには、色の異なるいくつもの藍の古布の組み合わせと、
この葉の持つ筋の様な部分が ミシンの糸目だけで表現された、
“リメイク”の葉が縫い付けられます。

仕上げは刺繍による篆刻。
切り取られた部位で色が違う藍布を縫い付けては、糸を変え、
仕上げの篆刻が入った藍布を、また縫い付ける。
前立て(ヘンリーネックの釦部分)部分の隙間に その篆刻は潜んでいます。Photo_3

少し手間と思える事で、全く違う3つの技法の 調和が取られ、
一つの作品として出来上がるのです。
たった1着のためだけに、何人もの職人の手が加わり 仕上げられた、至極のTシャツと言えるのではないでしょうか。

河骨(コウホネ)とカワセミ半袖Tシャツ【インディゴ】

河骨(コウホネ)とカワセミ半袖Tシャツ【黒鉄】

もの作りのハナシ1 -行燈(あんどん)桜ロングTシャツ-2009.02.18

かわら版 -もの作りのハナシ-

やわらなか、ふくらみのある独特な風合いの、
衣の定番ジンバブエコットンが今回のキャンバスです。

何もない、ただそれだけでも十分に魅力ある長袖Tシャツ。Photo_6
そこには落とし込まれた最初の加工は“彩色”。
大小様々な大きさの伊勢和紙、
複数の色を使い分け、
手作業で1着1着に色がのせられていきます。
色と色との境界線、
そこには2度と同じに作れない色が見えていますね。

次に“染め”の加工が加わります。Photo_4
手間ひまをかけて作り出された彩色の色は、
ここで一度身を潜めます。
1色は暗闇の夜の色に。
1色は遊郭の様な艶っぽさを感じさせる色に。

一度は潜めた彩りも、次の“抜染”の工程で、
その色をさらに変化させおぼろげな姿をみせてくれました。Photo_5

一枚の和紙を通し見える光と、そこからこぼれる光。
そのひと時を表現したく、
あえて手間をかけた物作りに取り組みました。

仕上げは篆刻。
1針1針が連続した時、
最初にイメージした図柄を浮かび上がらせる刺繍で
“衣”は刻まれています。

この作品は「行燈桜」という名が付けられました。

行燈桜ロングTシャツ【墨黒】

行燈桜ロングTシャツ【渋紫】

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