「襤衣(らんい)に育てる」2011.08.22
これまで登場のスタッフみんな、それぞれに着込んで育てた襤衣を載せていましたね。
皆さんこんにちは。名古屋店の藤原です。
長年、オスティア・ジャパン衣で働いている私も沢山の育てた宝たちがありますが、それらは以前のブログでもご紹介した事もあり、今回は何にしようか…と考えたところ、最近店頭に並んだ久留米絣(くるめがすり)のシャツを見て、これに決めました!
絣とは、縦の糸と横の糸の織りなす柄の織物です。
模様となる白い部分を染め残すために糸をくくり、その後、枷染め(かせぞめ)します。
糸の状態では何を表しているのかわからない物も機織機(はたおりき)にかけ、
縦の糸と横の糸が織り合わさってくると文様が描かれていくのです。
藍で染められた糸の描く文様はとても素晴らしく、白と青の色合いも心を掴みます。使い込まれた古布の色合いは何とも言い難く、心を掴んで離さないものなのです。これまでの作品たちの歴史にも店頭に並んでいた事があります。その中で私が手にいれた絣は、描かれた鯉に乗った翁(おきな)の柄の絣のシャツ。
古布はその時にしか出会えない一瞬の邂逅(かいこう※「偶然」といった意味合いです。)だとも思います。
同じものは二度とない。そんな出会いもあるものです。今現在、店頭には衣の主が久留米で出会った絣の生地にクリスマスローズの手振り刺繍が施された、久留米絣の長袖シャツが入荷しております。
生産できる数も少ないので、一期一会、目にしたら是非手にとってご覧下さいね!