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「少数民族」 衣主(ころもあるじ)2011.09.09

今から10年ほど前、まだ工房と名のつく場所もなく、自宅のお風呂場を青くしてバケツで藍染めをしてた頃、古い蛇口から出る流水の濁った色が透明に変わった時のように、バケツから顔を出したその藍色のTシャツに心踊った事を、最近、妙に思い出す事が多いです。

ちょうどその頃、出逢った徳島の阿波藍の職人さんに、当時、素朴な質問をしてみました。

“なぜ日本人は藍色が好きなのでしょうか?”

“それは日本人の血だよ”

その答えに次の質問をさえぎられ、音のない時間を感じ、だまりこくったのが、つい昨日の事のようです。

どんな科学をもってしても、解明できない刷り込まれた民族の誇りの様なものを、私は伝えたかったのかと、この頃ようやく分かってきた気もします。

豊かさに甘えた大人のケンカ…。最近、テレビのニュースを見てつくづく思います。

国際化とは、世界のあらゆる社会や国家、そして民族をフードプロセッサーに入れてミックスジュースを作ることではないのでは…。

他人(ひと)と自分の関係性の中に“心地よさ”が行き交うことで、すべての人達に、ほんの少し、ささやかな幸せが広がっていく…。それこそが世界中の民族の一人一人の役目のような気がします。

最近、また阿波藍にひかれ徳島に足を運び、手を青くすることが多いのは、自分の中の“心地よさ”を探しているのかも知れないです。Aigame Ainohana

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