「襤褸(らんる)」 代官山店 大竹2011.11.15
気まぐれ日記をご覧のみなさんこんにちは。
代官山店の大竹です。
突然ですが、みなさんは衣の作品たちで目にする古布をリメイクしたもの・・・。中でもどの種類の古布がお好きですか?着物?前掛け?半てん?のぼり?私が一番好きでいつも、いいな、欲しいな、着たいなと思っているのが、襤褸(らんる)と言われるものです。
今秋冬のテーマ「民族」とは取り方が少し違うのかもしれませんが、日本の民族性を表しているものの一つだと思いお話し致します。
襤褸は「ぼろ」と呼ばれたりもするのですが、何枚もの布が重なって、一つ一つの色の変化や、生地の厚さが違ったりと、独特な何とも言えない雰囲気を出し、魅力的なのです。生地の雰囲気だけでも惹かれてしまうというのに、なぜ襤褸が生まれたのか、その理由を聞くとより深く好きになってしまいました。
襤褸は特に東北地方で多く見られるものなのですが、寒冷地である東北の冬の寒さは、大変きびしく過酷で、着ることは食べることと同じくらい死活問題なのです。
そこで着るものの布を何枚も重ねて防寒し、糸を刺して丈夫にし、穴が空けば布でつくろい、それを親から子へ、子から孫へ何代にも渡って使われていく・・・。
デザインしてかっこいいものを作ろうと出来たものではなく、身近にあるものを重ねて少しでも温かく、丈夫にしたいという切実な想いから生まれたのです。家族の絆、そして生きること、まさに命そのものであったのではないでしょうか。
ものが当たり前のように溢れて、簡単に手に入ってしまう今。襤褸の話を聞いたり目にした時に、何かを感じて共感してしまうのは、どこかで我々には、日本民族の大切な精神があるのではないかと思います。私はそんな想いが大好きで大事にしたいと思います。
襤褸についてもっと詳しく知りたい!と興味を持たれた方は、衣代官山店 大竹まで・・・。熱弁致します!
それが暑苦しいと思われる方は、浅草にあるアミューズミュージアムにも伺ってみて下さい。たくさんのボロが展示され、触ったりも出来るので、必ず好きになってしまいますよ。
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