「ネクタイ」 松本パルコ 一ノ瀬2011.12.26
こんにちは。
松本パルコ店の一ノ瀬です。
民族の風習というのは、その土地その環境から生まれる様々な形式、そして人々の思いがこもっているもの。日本にもいつの間にか根付いている風習も、紐解いていくとまた違う文化に辿り着いたり・・・。この日本の明日を担う社会人が日々、その首元に巻いている「ネクタイ」についてのお話を。
その源はクロアチア人の風習にありました。寒さ厳しい中、兵役を務める兵士が身を守る為に巻いていたスカーフなのですが、実はこれ、『弾除けのおまじない』という御守り的な意味がありました。無事の帰還を願い妻や恋人が兵士に贈り、その想いを兵士は身に纏い戦地におもむいたのです。
他言語では“クラバット”と呼ばれるネクタイは、フランスに来たクロアチア兵の首の巻物を見た国王・ルイ14世の質問を側近が聞き違え、「クラバット(クロアチア兵)です」と返答したのが語源になります。
最初は外すよう言っていたルイ14世に、クロアチア兵は「外さない」と抵抗、やがて王の譲歩を引き出したワケです。民族の想いと愛を貫いたクラバットがいなければ、ネクタイは存在しなかったのかもしれません・・・。
ここ日本にもその一針、その一織りに想いを込めた、刺し子や襤褸と呼ばれる生地があります。これもまた自分の夫をそして子を、少しでもその寒さから身を守ろうと生活の中から生まれた物。
そんな二つの民族の思いが一つになったかのような《ネクタイ》が、衣のお店には顔を並べています。言葉も風習も異なる民族でも「人が人を思う心」は何一つ変わらないのだと思います。
京都・和柄・藍染め~衣(ころも)~
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