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新年のご挨拶 衣 主 (ころもあるじ)2012.01.04

明けましておめでとうございます。

…一年が、又、始まります。

人々の生活や思い出の写真一枚までをも飲み込んだ、あの大津波のように、時間という物は絶対的な力で過去を飲み込んでいきます。一方で、孤独に苦しかった事も、体が震えるほど腹が立った事も流し去り、静かなさざ波にしてくれるのも時間です。時間というものと対等に戦えるものは、きっとこの世には何もないのだろうと思ってしまいます。

拘束の多い毎日の中で、私が唯一楽しみにしている“無所属”な時間を過ごす場所があります。

京都から電車を乗り継ぎ3時間…。空気が凛と冷えきった駅から車で30~40分。野生のシカの群れが狭い山道を占領する、人里離れた奥深い山あいのつきあたりに、そこはあります。Like

とりわけ一人が好きな訳でもないのですが、人はどこか自分と対峙して、自分を取り巻く人や環境に感謝し、自分が何なのかを考える場所と時間は必要だと考えています。

木から落ちた小枝のように流れに身をまかせて生きていく事は出来ないにしても、川の中央の石ころにひっかかり、もたれることも、時にはありがたいものです。

そこのパンフレットに書かれていた言葉がとても好きです。

「私たち人間は『意志』と言うモノを持ち合わせています。同じように大自然にも『意志』は存在します。土や水、空気、草、木…、みな『意志』を持っています。ですが、現代人はいつしか大自然が放つ『意志』を聞こうとする事を止め、ただ、自己の為だけに生きるようになってしまい、『癒し』や『安らぎ』が必要とされる時代が訪れる事となりました。(略)」

私達が2011年に遭遇した出来事が何かを伝えたい自然の意志だとしたら、人類全てが考える時間が必要な気がします…。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

京都・和柄・藍染め~衣(ころも)~

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