はじめての衣 ~二宮編~2007.12.17
春と秋、毎年恒例の『衣展示会』。
スタッフが服をデザインし、作品を作るこのイベントで、
僕は はじめて「服を作る」という気持ちを味わいました。
それまで、洋服は「着る」物であり、また「買う」物であったり・・
格別深く考える事もなく、そう捉えていました。
そんな僕にやってきたのが、『衣展示会』。
忘れもしない、2001年の春でした。
綿や布以外の、「異素材をくっつけたもの」というテーマが発表され
各々デザインを始めました。
やがて、あれこれとイメージを膨らませているうちに、
Tシャツに網(異素材)を縫いつけ、その網の中に土佐犬がいる!という
少しワイルド!?な物を思いつきました。
しかし、すぐに壁にぶち当たります。
まず、思い通りの大きさ・素材感の網がなく・・。
そして凸凹のある網をTシャツに縫い付ける技術がない・・。
極めつけに、土佐犬の図案を上手く描く絵心がない・・。
今思うと致命的ですね・・・。
そんな八方塞がりの僕でしたが、やがて一筋の光が差し込んできました。
まず網は、漁師をしている実家の父が編んでくれる事になりました。
そして、網を縫いつける技術は、当時の近藤店長(コロモール)に
指導して頂き、土佐犬は主(あるじ)に指導・修正も加えて頂き、
どうにかこうにか期日までに完成する事が出来ました!!
確か全部で15枚程度しか作らなかったと思うのですが、
とても大変だった事を 約7年経った今でも覚えています。
はじめて服作りをしてみて思った事。
「作る」という事は、こんなにも大変なのか!という事。
そして、1枚の洋服を作るのにも、多くの人の手が加わって、
力を借りながら作っているという事。
頭では理解していたつもりでも、いざ体験してみると
世界感が変わる程にそれが体に染み込んできました。
そして、服作りを行ううちに、服の構造や素材の特性などの
本質的な部分を少しずつ学ぶ事も出来ました。
服への概念が変わった この「作る」という事が、
僕にとっての、心に残る“はじめての衣”でした。
しかし、まだ今も分からない事だらけ・・・
本当に「服」って奥が深いんです・・。
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